研究分担者 |
日高 雅子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264094)
美藤 正樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60315108)
河江 達也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253503)
田中 彰則 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80274512)
井戸垣 俊弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038013)
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研究概要 |
次の4つの研究課題について、成果を上げてきた; 1。純有機強磁性NN'-dioxy-1,3,5,7-tetramethyl-2,6-diazaadamantaneの加圧効果:現在、バルクな強磁性を示す純有機結晶で、最も高い転移温度(Tc=1.48K)をもつNN'-dioxy4,3,5,7-tetramethy1-2,6-diazaadamantaneの加圧下磁気・熱測定を行った。帯磁率の圧力依存性から、磁気転移温度は下降し、b-p-NPPPの加圧効果に対応させて、一般的に磁気相互作用機構を解明している。2。量子スピンギャップ系の磁場下・加圧下における3次元磁気秩序の誘起:最近、スピンパイエルス系、ハルデン系、或いは量子スピン梯子系など基底非磁性の低次元格子スピンギャップ系が、不純物、磁場、或いは加圧によりそれぞれのギャップを閉じて、新しい多様な3次元磁気秩序を発生することが注目されている。今回、我々はdimer系から3次元秩序を誘起した初めての例を0.2Kの極低温域の比熱測定から見出すなど、新しい量子凝縮相を確認している。3。超小型ダイアモンドアンビルセルによる高圧下磁気測定システムの開発:現在では7Tの超伝導マグネットが備わったSQUID磁束計にこれを組み込み20GPaの圧力領域までの磁気測定が出来る。以下に、この開発途中で得られた成果について報告する。4。高圧下における鉄の強磁性消失と、金属Gdの磁気転移温度の減少:今年度の最大の成果は強磁性体の典型である鉄の磁性が9GPa以上の高圧で消失することを、本装置で初めて発見したことである。一方、最近では15-30 GPaの圧力領域で鉄が超伝導状態になることがが報告されており、合わせて今年度の日本物理学会(草津)のシンポジウムの発表に組み込まれる等の成果を上げている。
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