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2003 年度 実績報告書

多重極限環境下電子物性測定による高温有機強磁性と非フェルミ液体伝導機能の追究

研究課題

研究課題/領域番号 12305022
研究機関九州大学

研究代表者

竹田 和義  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10029548)

研究分担者 井戸垣 俊弘  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038013)
日高 雅子  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264094)
河江 達也  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253503)
田中 彰則  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80274512)
キーワード電子物性 / 多重極限環境 / 高圧 / 磁場 / 超低温 / 純有機磁性体 / 非フェルミ液体 / 量子臨界点
研究概要

(1)純有機強磁性体を実現するための新しい戦略として、複数のスピンを持つラジカル分子を規則的に積み重ね、フェリ磁性を発現させることが提唱されていた。これまで、トリラジカル系分子結晶を用いた実験が2例報告されているが、何れも磁気転移温度は0.2Kと極低温にあり、フェリ磁性の特徴は明確ではない。今年、我々は、トリラジカル分子Tris NOを用い、磁場中の帯磁率、磁化、比熱測定を行った。フェリ磁性のモーメントの単位を構成するS=1/2の分子内相関と、それらの分子間磁気相互作用を解明し、これまでにない量子スピン系の物性基礎論に係わる重要な結果を得た。具体的には、分子内では3つのスピンが反強磁性相互作用し、低温では2重項のみが実現する。更に低温では、残った分子間相互作用で磁気秩序を生じ、その転移温度は、ハイゼンベルグスピン系に関するラッシブルグ・ウッドの理論に対応出来ることを初めて見出した。
(2)我々は常気圧で36Kに磁気転移温度を持つ純有機物質pNCC6F4CNSSNの高圧下磁化測定により、その転移温度を1.6GPa72Kという液体窒素温度近くまで上昇させた。しかし、その上昇機構の解明は必ずしも明確でない。今回、この資料の誘導体DTDAを用い多重極限環境下の電子物性測定を開始し、加圧と共に磁気転移温度が上昇する事を確認した。転移温度そのものの値は1Kのオーダーであるが、その機構の実験的解明には非常に有望な資料であることが判明した。
(3)新しい非フェルミ液体的振る舞いをする強相関電子系の伝導現象の特徴を追究した。
基底状態が非磁性の希土類化合物(Pr-La)Pb3系のLaの替わりにSn等も不純物として混入した系の、超低温電気抵抗、電子比熱等を磁場下で系統的に観測し、電気四重極モーメントグラス状態、マルチチャンネル近藤効果による伝導機能の追究を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Mito et al.: "Pressure Effects on an S=1 Haldane Compound Ni(C_5H_<14>N_2)_2N_3(PF_6)"J.Phys.Soc.Jpn. 72・2. 399-404 (2003)

  • [文献書誌] T.Kawae et al.: "Specific Heat and Electrical Resistivity Measurements in Pr_<0.03>La_<0.99>Pb_3"Physica B. 329-333. 493-494 (2003)

  • [文献書誌] K.Mukai et al.: "Heat Capacity Study of the Doping Effect of Paramagnetic Radicals On the Organic Spin-Peiels System (P-CyDOV Radical Crystal)"J.Phys.Soc.Jpn. 72. 2312-2316 (2003)

  • [文献書誌] M.Mito et al.: "Pressure effects on an organic ferromagneti 2,5-difluoro-phenyl-a-nitronyl nitroxide"Phys.Rev.B. 67. 024427-1-024427-8 (2003)

  • [文献書誌] T.Kawae: "Non-Fermi Liquid Behavior in Dilute Quardrupolar System Pr_xLa_<1-x>Pb_3"J.Phys.Soc.Jpn. 72. 2141-2144 (2003)

  • [文献書誌] K.Takeda: "Pressure Effects of a Genuim Organic Crystalline Ferromagnet Dupere"Polyhedron. 122. 2287-2291 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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