研究概要 |
非線形干渉計を用いた全光学的ゲートは,波長分割多重(WDM)システムにおける全光学的波長変換器あるいは時分割多重(OTDM)システムにおける多重分離器等に用いられているが,全光学的再生中継器においても重要な役割を果たすと考えられる。干渉計ゲートの持つ非線形な伝達特性を積極利用することにより,雑音抑制を全光学的に行うのである。信号光でCW光をゲートすると2R(Regenerating, Reshaping)機能が実現可能で,タイミング抽出回路により再生された光パルスをゲートした場合には,Retiming機能を加えた3R機能が実現される。 非線形干渉計ゲートの持つ雑音抑制機能は,定性的にはよく知られており,実験的にもその有効性が実証されている。しかしながら,干渉計ゲートを有する光伝送システムがどのような雑音耐力を持つかについては,定量的な議論はいまだ不十分である。その理由は,これまでの雑音解析・評価がガウス近似に依存しており,非線形干渉計ゲートのような非線形な伝達関数を有する場合との整合が困難であるためである。 本研究では,非線形干渉計型ゲートの持つ雑音抑圧特性について検討した。特に、非線形干渉計型ゲートが多数、縦続接続されたモデルを想定し、理論的な解析方法を新たに提案するとともに,その手法を用いて雑音耐性を評価した。さらに,非線形光ファイバループミラー(NOLM)を用いて超高速光スイッチの試作を行い,非線形干渉計型ゲートとしての動作を確認した。
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