研究概要 |
今年度は,平成12年度に製作した3台の環境適応型移動ロボットのプロトタイプシステムを用いて,大型未知形状物体の協調ハンドリングのための,知的協調運動制御技術の開発を行った.具体的には以下の制御系を提案した. 1.知的協調運動制御技術 プロトタイプシステムのボディに加わる力・モーメントを計測するボディーフォースセンサとプロトタイプシステムが有する冗長自由度を利用し,複数ロボットが単一物体のハンドリングを効果的に実現するための知的制御技術を開発した.具体的には,モーバイルベースやマニピュレータが人や環境と接触しても,システムの冗長自由度をうまく利用することによって作業を中断することなく協調作業が実現可能な,新しい知的協調運動制御技術を提案し,プロトタイプシステムを用いてその有効性を実験により検討した. 2.未知形状物体ハンドリング技術の開発 提案するシステムは既知形状の物体のみを扱うとは限らない.そこで,物体の形状や各ロボット間の位置や姿勢といった幾何学的関係が分からなくても,複数のロボットシステムによる物体のハンドリングを可能とする未知形状物体のハンドリング技術の開発を行った.また,開発するシステムを用いた実験により,提案する手法の有効性を確認した. 3.ボディー全体を用いた物体のハンドリング技術の開発 人との共生が可能な小型ロボットにも関わらず,大型物体のハンドリングを実現するために,移動ロボットのボディーを利用した物体のハンドリング技術を開発した.また,ボディーとマニピュレータ部を協調して用いることにより,従来の小型ロボットには不可能な大型物体のハンドリングを可能とする新しいハンドリング技術の研究・開発を行った.
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