研究概要 |
今年度は,本研究で開発した複数台の環境適応型移動ロボットを用いて,人とロボットが互いに機能を補完しあうことによって効率よく作業を行うことのできる人とロボットとの機能補完型知的協調制御システムの開発を行った.具体的には以下のような制御系を提案した. 1.複数移動ロボットの機能補完型知的協調制御システムの開発 複数移動ロボットが相互に機能を補完することによって作業を実行する新しい複数移動ロボットの協調制御技術を提案した.提案する制御システムは,申請者らがすでに提案している,リーダ・フォロワ型分散制御系のより一層の知能化を図ろうとするもので,作業に必要な機能を,各ロボットに分散させ実現することにより,効率的なロボットの知的分散制御システムを実現した.具体的には,複数の移動ロボットを用いた機能分散型障害物回避アルゴリズムの提案や,移動マニピュレータの冗長自由度を用いた物体搬送手法の提案を行った.また,提案する制御技術を開発されたシステムに実装し,その有効性を実験により検証した. 2.複数ロボットと人との協調による機能補完型知的協調制御システムの開発 人と複数の移動ロボットによる作業を,システム工学的に検討し,大型物体のハンドリングを例として1.で開発する複数移動ロボットの機能補完型知的協調制御システムと統合し,人と複数の移動ロボットがお互いに機能を補完し合いながら作業を効率よく行える,人とロボットの協調制御システムを提案した.特に人間の操作性や実環境で複数の移動ロボットを協調的に用いるための問題点を考慮した制御系を設計し,効果的な物体のハンドリングを実現する制御手法を提案した.また,提案した制御系を実際のシステムに適用し,実験を行い,その有効性を確認した. 3.報告書の作成 本研究で開発した,人間指向型モバイルマニピュレータならびに人間指向型知的制御系に関する考察を行い,報告書を作成した.
|