研究分担者 |
朝位 孝二 山口大学, 工学部, 助教授 (70202570)
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
杉原 裕司 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (70243970)
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50216933)
吉岡 洋 京都大学, 防災研究所, 助手 (10027287)
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研究概要 |
角野・重松・細井は、既に開発のシングルボイドプローブに改良を加え、ダブルボイドプローブを新たに開発してその有効性を確認するとともに、それを用いて造波水槽内砕波連行気泡特性を解析した。また、気体輸送流量係数の概念を提案し、沿岸砕波における気体輸送量の定量的評価の可能性を示した。朝位は、5cm×25cm×60cmの水槽の底面からバブリングを行い,全水深をパラメータとして乱流計測を行った。その結果、気泡部の水平方向・鉛直方向乱れ強度は水深方向に顕著な変化は見られないが,気泡部外では水面近傍で各方向乱れ強度が増加することが分かった。また全水深が大きいほど気泡部外における鉛直方向乱れ強度が大きくなることも確認された。江藤は、単一の水滴が水表面に衝突するときの気泡連行現象を,既に開発の100万枚/秒の超高速ビデオカメラを用いて詳細に観察した。特にある条件下で水滴と水表面の間に気膜が取り込まれ,それが球状に変形するときにネックレス状の不安定を生じることを新たに見出した。落下する水滴のレイノルズ数およびウェーバ数と,取り込まれる気膜の厚さ,発生するネックレス不安定の波長等の定量的特性量も明らかにした。杉原は、水表面に形成される乱流の微細構造に着目して,振動格子乱流場におけるガス交換機構について検討した.PIVおよびLIFの手法を用いて,水表面における乱流構造およびCO2吸収過程の可視化を行った.その結果,水表面における表面更新はテイラーマイクロスケールの乱流渦によって特徴づけられることが明らかになった.竹原・江藤・重松・辻本は、風波発生時における大気一水域間の物質輸送機構解明を目的に,界面近傍の気流および水流の同時画像計測を行った。計測結果より水面近傍の気流及び水流の組織的な流れ構造を詳細に把握することができた。水流側における水面近傍での組織的な潜り込みや,気流側でのバースティング現象等が確認された。森は、風洞水路内の風波についてレーザー後方散乱を用いた気泡径と上昇速度の計測を行った.得られた気泡径分布より気泡ソース関数の推定を行った.吉岡は、白浜の海洋観測塔で、超音波による砕波気泡の観測を、平成14年7月から10月まで実施した。その間、水中ビデオによる気泡の撮影を試みたが、測器の故障で失敗した。水中ビデオ撮影は、その後、平成15年1.月に大潟の波浪観測用桟橋でテストし、同3月に白浜細野浦において成功した。最後に、Moogは、以上の全体の成果を見渡しながら、砕波面での気体輸送のモデル化の方法について考究した。
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