研究分担者 |
千葉 義尚 法政大学, 工学部, 助手 (70171949)
阿部 優 法政大学, 工学部, 専任講師 (30061196)
吉田 長行 法政大学, 工学部, 教授 (30144877)
立道 郁生 前田建設工業(株), 建築エンジニアリング部, 副部長(研究職)
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研究概要 |
空間構造の免震および制振に関し、実験的研究ならびに解析的研究を行った。実験的研究としては、(1)構造物を並進振り子型免震装置で支持させ、免震効果のうち特に構造物の複数の振動モードに対する影響を検討した。また、(2)アーチ構造を対象とし、制振デバイスにTMD(質量減衰機構)を採用した場合の効果について振動実験により検討した。この結果、質量と減衰の適当な選択によりアーチ構造の制振が可能であることを示した。いずれも実構造物を縮小した模型を用い、加振は実地震波を含めデジタル振動制御装置(D-5505型)で制御している。 一方、研究者らが提案している「パドル免震装置」で支持された、直径100mの円形鉄骨ラチスドームを対象とし、一連の解析的研究を行った。転動振子の原理を利用したパドル免震の固有周期は,振幅の大きさや免震層上部の質量に関わらず一定であり、この点が積層ゴム免震に比べ極めて有利である。下部構造の剛性や免震周期をパラメータに行った検討の結果,スパン100m規模のドームでは水平入力に対して免震周期を2秒以上とすることにより,上下成分を含めた応答の充分な低減効果が得られることを示した。さらに,パドル免震の応用として,円形ドームの円周方向のみに復元力を有し,半径方向には拘束のない、単方向免震の有効性も確認している。 パドル免震は扇形の板が構造物に接し、重量を支持するシステムとなっている。そこで、パドル免震装置の実用化検討の基礎として、本年度は板に発生する応力分布を解析により把握した。これらの解析的研究は主として汎用有限要素解析ソフトを用い、線形解析によっている。
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