研究分担者 |
洪 忠憙 明治大学, 理工学部, 教授 (10061904)
高木 仁之 明治大学, 理工学部, 講師 (70130820)
平石 久廣 明治大学, 理工学部, 教授 (40113211)
小山 明男 明治大学, 理工学部, 講師 (90285099)
菊池 雅史 明治大学, 理工学部, 教授 (90130806)
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研究概要 |
本年度の研究実績は、以下の通りである。 1.木質構造の耐震性に関する研究:木質構に関しては2階建の実大建物に水平力を作用させ、その挙動を別途実施した建物サイズの耐力壁の水平加力試験の結果をもとに推定が可能かについて検証を行い、耐力壁の実験により実大建物の挙動をよく把握することが可能であることが確認された。 2.強地震に対する架構,部材の実挙動解析,実験と応答制御:(1)中間層免震構造の地震応答の構造を分析し,その耐震性向上のための有効な知見を得た。(2)中・高層建築の強震応答を,特に架構の損傷を基本に理論的,実験的に検討し,制振ダンパーの効果,ダンパーと架構の損傷との関連性等を明確にした。 3.耐震性に優れた新しい鉄筋コンクリート構造の開発:鋼製のスリーブを用いてはり端部の主筋の付着を切った新しい鉄筋コンクリート梁の構造実験を行った。試験体は、従来の梁では困難な梁の端部に開口を設けたものを主とした。本構造による梁は大変形にいたってもほとんど損傷が生じず極めて安定したエネルギー吸収性能を示した。 4.静的・動的加力を受けるRC柱のせん断強度:昨年度まで実施してきたRC柱の衝撃加力実験結果より、載荷速度による部材材料歪み速度を把握した。この材料歪み速度を考慮した材料強度を用い既往のせん断強度式に適用しその適合性を確認した。また、静的加力下における塑性理論式のトラス・アーチ機構におけるアーチ機構耐力を検討した。 5.RC造建物の袖壁付き柱や、外壁を面的に補強する工法の実験的研究:鋼板内蔵型のブレースを外付け耐震補強に用いる際,カバーのコンクリートと鋼板とを絶縁して使用すれば,エネルギー吸収能力の大きい履歴減衰のすぐれた補強部材に改善できることが明らかになった。しかし,既存のRC造躯体のじん性にも依存し極ぜい性柱等のじん性の乏しい部材の補強では,十分な効果を発揮できないことも実験で明らかになった。 6.非構造部材の動的挙動に関する実験:非構造部材の代表的な部材であるALC帳壁に関する動的加力実験,ならびにタイルの落下等の安全性に関する実験を行った。その結果,この種の部材の動的挙動ならびに面内変形追従性を明らかにした。また,この種の部材に張り付けられたタイルの落下防止手法に関する知見を得た。
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