研究課題/領域番号 |
12305038
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30239743)
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研究分担者 |
吉田 恒昭 拓殖大学, 国際開発学部, 教授 (20292881)
大塚 直 学習院大学, 法学部, 教授 (90143346)
吉見 俊哉 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (40201040)
吉田 倬郎 工学院大学, 工学部, 教授 (50011185)
下田 吉之 大阪大学, 工学系研究科, 助教授 (20226278)
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キーワード | 持続可能性 / サービス・プロバイダー / 資源利用効率 / マテリアル・フロー / 循環 / 解体 / interested party / 建築生産 |
研究概要 |
本研究で「持続可能性配慮型」とは、「持続可能性を阻害する要因の作用をできるだけ軽減すること」すなわちless unsustainableであることとを指す。「建設システム」とは、建物・インフラ施設の建設(=設計・施工・運用・改修・解体)に関わる種々の仕組みを指す。 本研究は、第一には、「持続可能性配慮型建設システム」と社会的・文化的特性の関係を明らかにすることを目的にする。第二には、マテリアルフロー・バランスからみた「持続可能性配慮型建設システム」の具体像を明らかにすることを目的とする。第三には、生産主体のサービス・プロバイダー化の寄与効果と可能性を明らかにすることを目的とする。平成12年度においては、以下のような研究実績を挙げた。第一の目的に関しては、国内外のフィールド調査・ケーススタディ及び文献調査を通じて、国・地域のも文化的特性が、建設システムを統御する制度のありように関連しているか、基本的な事項を整理した。ケーススタディ対象には、環境に係わる法制度設計、愛知万博の意志決定プロセス、アジアの途上国における開発システムが含まれる。整理の結果、利害関係者・当事者(Interested Party)の意志決定への参加の様態が、社会的・文化特性のキーファクターであることが明らかになった。第二の目的に関しては、資源生産性(資源利用効率)を評価・測定する枠組みを整理したうえで、地域レベルや主要な建設資材について資源利用モデルを描くことを試みた。研究分担者の下田吉之(大阪大学)によって、近畿圏における地域レベルでのマテリアル・フローが明らかになった。また主要資材のモデルについても、文献資料等からその概要を把握することができた。加えて、マテリアル・フローにおける重要ファクターである建物の解体における実態調査をもとに、解体材の再利用可能性に影響する要因を整理した。第三の目的に関しては、「サービス・プロバイダー」という概念仮説を作った上で、その概念や実行可能性について、国内外の研究者・実務者とブレーン・ストーミングを繰り返し、その概念のブラッシュアップを行なうとともに、住宅部品のリース・レンタルを含めた実行可能なシーズがあることを確認するとともに、具体的なビジネスモデルを提示するための諸課題を抽出した。
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