研究課題/領域番号 |
12305046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90029108)
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研究分担者 |
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303856)
田中 克志 香川大学, 工学部, 助教授 (30236575)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 水素吸蔵 / Ti_3Al / Ti-Al-Nb合金 / 組織 / 組織制御 / Mg-Ni-Ca合金 |
研究概要 |
FeTiを主たる対象として、水素吸蔵に伴う微粉化と転位導入について研究する過程で、格子欠陥あるいは格子欠陥と同様に歪を伴う第2相を導入することによって水素吸蔵材料の水素吸放出特性を改良できることを見出した。この成果を積極的に応用し、容易に水素を吸収するが放出しない化合物と合金の水素吸放出特性を改良することを試みるに至った。 水素吸放出特性を改善するための組織変化を、格子欠陥の導入のみならず水素吸蔵合金を複相化することによってもたらすことも可能である。Ti-22Al-27Nb(at.%)合金は、bcc相(あるいはその規則相)単相あるいはこれらの相と斜方晶O相の2相組織に作り込むことができる。この合金のbeta-to-gamma水素化物遷移は、O相の存在によって容易になると共に、同遷移に可逆性を持たせることができる。beta相とO相の整合歪がこのような効果をもたらしていると考えられる。同様の効果を、Ti-22Al-27Nb(at.%)合金を5-10%程度圧延し、<111>ラセン転位のアレイを導入することによって得ることもできる。この場合、ラセン転位の歪場がbeta相とO相の整合歪と同じ役割を果すと考えられる。 Ti-22Al-27Nb(at.%)合金において成功した熱処理あるいは加工による組織制御による水素吸放出特性の改良法を他のさらに実用性の高い水素吸蔵合金に適用することを考え、容易に水素を吸収するが放出しないMg-Ca-Ni系合金の水素吸放出特性を研究した。しかし、現在のところ、この合金系にTi-22Al-27Nb(at.%)合金で得たと同様の成果を得るには至っていない。今後更なる研究が必要である。
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