研究概要 |
イオン注入法は,任意の元素を任意の材料に導入して,主としてその表面構造を制御する重要な手法である.特に本研究では,{Cl,F,・・}(ハロゲン元素),{Al・・},一方(軽金属系),{C,N,・・}(軽元素系)に注目したイオン注入で,ハードコーティング材料の機械的特性がどのように変化するのかについてを総的調べた. [1]Al注入による耐熱性向上 TiNへのAl注入によって耐熱温度が200℃以上,上昇することを確認した.優先的なAl_2O_3のTiN粒界上の生成・析出により,母材の酸化が停止すること,Al元素は金属状態でも存在し,酸化中にTiN粒界と移動して耐酸化保護機能を実現していることなどを明らかにした. [2]C,B注入による表面な変化 TiNへのC注入によって,TiN-TiC2相生成,さらにグラファイト析出化を実現できることを確認した.これにより,同一のTiNであっても,TiCよりも優れた耐摩耗性を発現できることも明らかにした. [3]Cl注入による自己潤滑化 TiNへのCl注入によって,1×10^<17>ions/cm^2という低dose量であっても,摩耗量を3桁以上も低減できることを世界で初めて見出した.現在そのメカニズムを探査中であるが,イオン〓による〓しい表面化学〓速の可能性も出てきた.
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