研究概要 |
既に構築した安全設計支援システムのプロトタイプをベースに,現実の労働災害データを考慮した実用システムへの展開において解決すべき課題を抽出し,プロトタイプシステムを完成した.以下にその具体的内容の概要を示す. (1)安全情報のナレッジ・サーバの構築 事故発生の原因やプロセスを「原因・対策」「ハザード」というノードから構成される有向グラフによって表現する安全情報の構造表現を導入し,事故に関係する原因や事故発生のプロセスを「要素→ハザード→要素」の一纏まりとして表現するユニットを情報モデルとして定義していたが,この情報モデルの表現方法に基づき,実際の労働災害データベースに格納されている安全情報のテキストデータから,安全情報を抽出し,安全情報のナレッジ・サーバを構築した. (2)既存の設計・生産計画支援システムとの統合 研究代表者らが構築している設計生産計画支援システムにおけるVirtual Assembling機能から得られる作業情報と安全情報のナレッジ・サーバから提供される情報との密な連携機能を検討し,システムレベルで統合化した.この統合化の際には,データの検索機能の充実が必要不可欠であり,自己組織化マップを利用したデータマイニング手法の導入を検討した. (3)作業の安全性の評価方法の確立 提案した安全性の評価方法を,実際の労働災害の事例に即して具体的に評価した.この評価を通じて,作業の安全性を評価するために必要な定量化手法を確立した.
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