初年度である本年度、インターフェロメトリックボアホールレーダ研究を進めるための基礎技術要素開発と既存データ処理によるシミュレーションを行った。 既に完成しているポラリメトリックボアホールレーダシステムを改造・改良することでインターフェロメトリック機能を実現するための要素部分を完成させる。そのために、2点以上の位置で同時受信可能なアンテナ系を実現するため、光アナログ回路の製作を行った。本回路は直径2cm、全長20cm、使用帯域DC-500MHzと、これまでに我々が開発した回路で最小、広帯域を実現した。また高周波スイッチとの組み合わせにより、ネットワークアナライザによる2チャンネル同時計測システムを完成した。 一方、信号処理については既存のレーダとは異なる低周波、3次元インターフェロメトリレーダ信号処理の開発について、既に取得してある送受信間隔の異なるボアホールレーダデータをインターフェロメトリック的にデータ処理し、ボアホール近傍の媒質の導電率、誘電率測定が行えることをシミュレーションならびに実験データから実証した。 ボアホール中のアンテナの挙動を理解するため、FDTDによるシミュレーション、伝送線路理論による近似特性評価法の開発を行い、フィールド実験との照合から実用性を評価した。
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