研究分担者 |
青木 謙治 京都大学, 工学研究科, 教授 (80314227)
芦田 譲 京都大学, 工学研究科, 教授 (60184165)
花崎 紘一 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026123)
新苗 正和 京都大学, 工学研究科, 助手 (50228128)
平野 勇 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40293906)
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研究概要 |
本研究は,地下深部の微細亀裂から大規模破砕構造にいたるまでの透水性・力学特性を把握し,深部地下構造特性の評価システムと地下環境の監視システムの開発,有害物質の無害化ならびに拡散・浸透防止技術の開発を目的としている。 地下深部の透水性に関して,高レベル放射性廃棄物地層処分施設の建設候補地として沿岸海底下も有力であることから,沿岸海底下における地下水流動解析を行い、密度の異なる地下水による遷移領域(塩淡境界)の変動の長期予測を行った。その結果,塩淡境界は地下水位が低下すると陸域側へ,海水準が低下すると海域側へ移動することがわかった。また,地下深部の破砕構造の力学特性に関して,かみ合わせ寸法の異なる不連続面供試体に対してしてせん断試験を行い,かみ合わせ寸法が大きくなるにしたがってせん断強度が低下することを示した。一方,弾性波による深部地下構造特性の評価および地下環境の監視を目的として,個別要素法を用いた弾性波動現象のシミュレーション手法を開発し,この方法により破砕構造における波動現象および破壊現象のモデリングが可能であることを示した。また,新規に導入したレーザードップラー振動計を用いて岩石材料における弾性波伝播挙動を観測することによりその基礎データを得た。さらに,有害物質の無害化ならびに合理的な拡散・浸透防止技術に関して,定電流密度条件下で通電を行うことにより、粘土質土壌からのカドミウムの浄化について実験により系統的に検討し、カドミウムの浄化効率と消費電力の抑制の両面から、適切な電流密度値を設定する必要があることを明らかにするとともに,動的注入工法による低透水性岩盤へのグラウト効果に関して注入材料の粘性・注入庄力・周波数など定量的検討を行い、微小亀裂内に確実に注入する技術開発の実験と解析を実施し多くの実用的成果を得た。
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