研究概要 |
(1)L-セレクチンの内在性リガンドであるシアリル6-スルホルイスX構造を含むGlyCAM-1のO-グリコシド型9糖糖鎖の効率的合成にはじめて成功した(Aust. J. Chem.,55,105-112,2002)。また、創薬的見地から、シアリルルイスX関連糖脂質をセレクチンリガンドとし、P-およびL-セレクチンに対するチロシンサルフェイト誘導体の協力効果について検討した(Immunology,105,350-359,2002)。(2)サイクリック(ラクタム型)シアル酸を含むガングリオシドGM4をモデル化合物として、L-セレクチンの新規リガンド構造のNMR解析を行った(Magn. Reson. Chem.,40,517-523,2002)。(3)O-グリカンにシアル酸を転位するα2,8-sialyltransferase(ST8SiaVI)のクローニング及びその発現様式を解明した(J. Biol. Chem.,277,24030-24038)。(4)糖鎖-糖鎖相互作用によって引き起こされるGM3ガングリオシドの選択的分子反応の物理化学的解析を行った(Langmuir,18,6940-6945,2002)。(5)デ-N-アセチルシアリルルイスXガングリオシドの合成と同族分子種のL-セレクチン結合活性を詳細に検討し、リガンド活性の順位を決定した(Carbohydr. Res.,337,2111-2117,2002)。(6)生理活性シアロ糖鎖の構造と機能に関する化学生物学的研究をレビユーした(日本農芸化学会誌、1158-1167、2002)。
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