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2001 年度 実績報告書

木部細胞におけるセルロース合成酵素の動的解析

研究課題

研究課題/領域番号 12306009
研究機関京都大学

研究代表者

伊東 隆夫  京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70027168)

研究分担者 馬場 啓一  京都大学, 木質科学研究所, 助手 (20238223)
杉山 淳司  京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (40183842)
キーワードセルロース / セルロース生合成 / GFP
研究概要

セルロース合成酵素の植物細胞膜での発現を可視化するためにコンフォーカルレーザー顕微鏡で観察した結果、セルロース合成酵素遺伝子(CesA)とGFPの融合遺伝子の導入後3時間目から蛍光が認められた。蛍光の消失は導入後36時間以降であった。蛍光を発する細胞は全体の約0.001%であった。CesAの局在様式はコントロールと比較すると全く異なっていた。(1)核では蛍光が認められないこと、(2)蛍光が細胞質全体に広がるのではなく網目状の構造として局在することが観察された。導入後3時間では網目状構造は認められないが、核周辺に蛍光が見られ、蛍光は核全体を取り囲んでいた。細胞質での網目状構造は導入後6時間で認められた。網目状構造は、細胞膜付近及び核膜周辺においてはっきりと観察された。網幅は1.0-2.0μm程度であった。その後時間経過と共に網幅が粗い網目状構造として局在する細胞が混在した。小胞体を特異的に染色するDiOC6による染色像と網目状構造の局在は一致した。しかし細胞膜上で蛍光は検出できなかった。
コントロールでのGFP発現様式はすでに報告されているものと同様であり、遺伝子導入が成功していることを意味している。しかし、発現率の低さは今後の課題である。DiOC_6による染色によりCesAは小胞体で強く発現していることが確認された。これはCesA3のアミノ末端から7〜24番目に小胞体輸送に働く疎水性シグナル配列が含まれるため、融合タンパク質の局在が小胞体で認められたと考えられる。そして、5'末端側不完全長CesA3遺伝子のみでも小胞体輸送に働くことが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kimura S., H.P.Chen, I.M.Saxena, R.M.Brown Jr, T.Itoh: "Localization of c-di-GMP-binding Protein with the linear terminal complexes of Acetobacter xylinum"Journal of Bacteriology. 183(19). 5668-5674 (2001)

  • [文献書誌] Itoh T., S.Kimura: "Immunogold labeling of terminal cellulose-synthesizing complexes"Journal of Plant Research. 114. 483-489 (2001)

  • [文献書誌] 伊東隆夫: "セルロース合成酵素はターミナルコンプレックスに局在する-フリーズ・フラクチャ法と免疫金標識法を組み合わせての実証-"植物の生長調節. 37(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Itoh T.: "Deep-etching Electron Microscopy and 3-dimensional Cell Wall Architecture, In,"Wood Fomation in Trees", Nigel Chaffey, Ed."Taylor & Francis, London and New York. 83-98 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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