研究課題/領域番号 |
12306009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊東 隆夫 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70027168)
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研究分担者 |
馬場 啓一 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (20238223)
杉山 淳司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (40183842)
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キーワード | セルロース / セルロース生合成 / GFP / TCの移動 / ロゼット |
研究概要 |
セルロース合成酵素の植物細胞膜での発現をコンフォーカルレーザー顕微鏡で可視化することを試みた。タバコ培養細胞BY-2へ導入するセルロース合成酵素の遺伝子として綿繊維細胞から単離されたGhCesA3遺伝子の5'末端から約1.4kbを使用した。カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター、GFP遺伝子、ノパリン合成酵素ターミネーターが組み込まれたプラスミド上のGFPのすぐ上流領域へCesA遺伝子を組み込んだ。この構築したカセットをpBI121バイナリーベクターに組み込み遺伝子導入用のベクターとした。BY-2への導入は形質転換させたアグロバクテリウムを介して行い、カールツァイス製Axiovert 200M型共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、CesA::GFP融合タンパク質は小胞体、ゴルジ体、原形質膜付近の小胞において蛍光が確認できた。そしてセルロース合成酵素活性場所と考えられる原形質膜でも発現が見られた。BY-2培養液であるLS培地に0.4Mとなるようにマンニトールを加え、形質転換体BY-2を原形質分離させた。その結果原形質膜だけでなく細胞壁にも蛍光が確認できた。セルロース合成酵素の輸送経路として、細胞内で発現したCesA::GFP融合遺伝子が核内でmRNAに転写され、リボソーム上に結合し小胞体に取り込まれる。この後ゴルジ体へと運ばれ、小胞に包まれて原形質膜付近に輸送され小胞が原形質膜に融合されることによって膜タンパク質になると考えられる。
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