農業用ダムにおける情報化施工・管理・供用手法の開発

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12306012
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 青山 咸康 京都大学, 農学研究科, 教授 (20026561)
• 研究分担者: 浜口 俊雄 京都大学, 防災研究所・付属水資源研究センター, 助手 (90263128) ; 木山 正一 京都大学, 農学研究科, 助手 (20293920) ; 小林 晃 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80261460)
• キーワード: 貯水池の水位変動 / 貯水池周辺山崩壊 / 画像処理 / 中圧三軸試験 / 礫混合土 / 汚泥 / 岩盤の亀裂 / 地盤の物理定数

研究概要

今年度は平成12年度の研究方針を発展させるため、次の3点の備品を購入することにより当初目標の達成を図った。
(1)TDR計測機(米国キャンベル製),(2)マイクロロガー(米国キャンベル製),(3)AE計測装置(米国フィジカルアコースティック社製)これらの機器により次の課題に取り組んだ。
(2)は(1)によって得られた土壌中に含まれる物質量に関する検地データを集積するものである。これらによって、貯水池周辺斜面の崩壊メカニズム、あるいは地下水中に含まれる物質の移動現象を解明すべく努めた。この計測にはかなりの熟練を要するため、現在そのキャリブレーションを行うための基礎実験を行っている。
(3)の機器はコンクリートダムにおける構築材料、あるいはダム基礎岩盤の破壊時現象の解明のため、AE(アコースティック・エミッション)挙動を材料の応用/ひずみ挙動と共に計測しようとしている。更にはコンクリート供試体の打撃音・音響解析と供用する事により、現在問題となっている、コンクリート品質の診断に役立てようとしている。
以上のほか平成12年度より引き続き以下の課題につき研究を続行している。
1)フイルダム実材料の現場条件をより良く再現するための実験装置を開発し、不飽和圧密挙動や、浸水時コラブス挙動を解明。
2)上記に関連し、CTスキャンを利用した土供試体の剪段過程におけるトモグラフィックな解明の試み。
3)全国多数の農業用ダムの観測データを収集し、地震時フイルダム挙動に関して多くの知見を得た。又、鳥取西部地震における農業用ダムの特殊な挙動についても現場計測を含めた解明に取り組んだ。

研究成果

• [文献書誌] Shemsu Kemal, AOYAMA S.: "Pore Pressure Behavior on Enbankment Dams during construction"Thans of Japanese Soc, of lrrigation Drainage and Reclama tion Eug.. 217. 25-33 (2002)
• [文献書誌] 木山正一, 木村寛淳, 青山咸康: "X線CTを用いた砂礫土の構造解析と複雑土の計量"砂礫土の力学特性に関するシンポジウム発表論文集. 199-208 (2001)
• [文献書誌] 井上敬資, 小林 晃, 青山咸康: "統計的手法を用いた透水係数分布の比較とパッチワーク法"亀裂性岩盤における浸透問題に関するシンポジウム発表論文集. 195-200 (2001)
• [文献書誌] 塚田泰博, 小林 晃, 木山正一, 青山咸康: "フイルダム基礎岩盤における水理破砕予測基準の提案"亀裂性岩盤における浸透問題に関するシンポジウム発表論文集. 223-232 (2001)
• [文献書誌] 井上一哉, 小林 晃, 青山咸康: "硝酸態窒素の輸送解析の検証"第4回環境地盤工学シンポジウム発表論文集. 65-70 (2001)
• [文献書誌] 浜口俊雄: "地下水の時空間統計学的推定手法の開発と平面地下水流動モデルへの応用"平成13年度水資源セミナー講演集. 35-45 (2001)