研究課題/領域番号 |
12306013
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古在 豊樹 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90081570)
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研究分担者 |
星 岳彦 東海大学, 開発工学部, 助教授 (80219162)
大政 謙次 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70109908)
蔵田 憲次 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
全 昶厚 千葉大学, 園芸学部, 助教授
久保田 智恵利 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (00280917)
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キーワード | 閉鎖苗 / 苗生産 / 人工光利用 / 3次元画像計測処理 / 物質エネルギ收支 / 高付加価値苗 / 抽だい制御 / オブジェクト指向プログラミングモデル |
研究概要 |
1)製作した閉鎖型苗生産基本モジュール(寸法:幅1m、長さ5m、高さ1m、4段)のハードウェアおよびソフトウェアを改良して、実際に苗生産をした場合のエネルギ収支(電気、熱、放射および化学エネルギ)と物質収支(CO2、水、その他の化学物質)に関する詳細なデータを環境計測装置で収集し、それにもとづいて理論解析を体系的に行ない、使用電気エネルギと資源(特に、水、化学肥料、CO2および人力)の最小化するための基礎資料と基礎理論を得た。 2)生産管理ソフトウェアは、規模拡大や生産方法の変更に柔軟に対応するための自立分散知能型として、オブジェクト指向プログラミングモデルを用いて開発した。自立知能化と分散協調化を徹底するために、基本モジュールに収納するセル成型苗トレイをオブジェクトとし、このオブジェクトが自立的要求に基づいて協調最適化を計るシステムを実現した。この考え方にもとづいた植物生産管理ソフトウェアは世界的に存在しないので、その性能、手法に関して基礎理論的な面から検討し、基本概念と基本手法の確立を行なった。また生産管理ソフトウェアの中核となる、苗の成長モデルは、本年度は。簡単なモデルを基本とした。 3)可視光のCCDカメラ複数台を用いて、苗個体群の成長過程を形態および生体情報の側面から3次元的に経時計測し、それらの情報を環境調節、生産管理、生産計画に反映させるための基礎理論を確立した。高解像度の画像情報から、草高、投影葉面積、葉枚数、苗の水分率などを推定した。可視光画像情報を用いた特徴量の3次元的抽出と解析にもとづく理論構築を検討した。 4)基本モジュールを用いた育苗中の環境調節により、苗の花芽分化、抽台、休眠などを抑制または促進させて、苗の付加価値を高める技術を開発した。閉鎖型では、人工光源を用いるので、育苗中の明暗周期、光質および光強度の調節を任意に行なうことが出来た。また育苗中の温度、湿度およびCO2濃度も任意に調節出来た。育苗に関して、上述の環境調節の利点して、数種植物の花芽分化と抽だいを制御した。またトマト第1花房着花節位を10段目から8段目以下に低下させ、初期収量の増大を可能にした。
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