研究概要 |
1.イネ・キチナーゼ遺伝子(Cht-2あるいはCht-3)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴)のR_2またはR_3世代株のイネいもち病に対する抵抗性を、圃場抵抗性の異なる5品種を比較品種に加えて検討した結果、Cht-2導入イネの数系統で比較的強い抵抗性が保持されていることが示された。キチナーゼ遺伝子の発現の有無と抵抗性増強の有無の間には概ね相関があった。 2.イネ・キチナーゼ遺伝子(Cht-2あるいはCht-3)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴およびコシヒカリ)のR_2世代株10系統について、生育特性ならびに環境安全性に関する評価試験を行った結果、一部の生育特性が元品種に比べてやや劣る個体が出現する系統も一部認められたが、いずれの系統も環境への影響には有意差が認められなかった。 3.イネ・β-1,3;1,4-グルカナーゼ遺伝子(Gns1)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴)のR_2世代でGns1を過剰発現している系統では疑似病斑の形成が認められたが、そのような系統ではイネいもち病に対してのみならず細菌病であるイネ白葉枯病に対しても過敏感反応による強い抵抗性を示すことが明らかにされた。 4.Gns1再導入イネではいずれの系統でも生育特性が元品種に比べて著しく劣ることが示された。
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