研究概要 |
1.イネ・キチナーゼ遺伝子(Cht-2あるいはCht-3)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴)の後代数系統について、イネいもち病に対する抵抗性を圃場レベルで検定した結果、一部の生育特性が元品種に比べてやや劣る個体の出現率が高く、また、イネいもち病に対しては一定の発病遅延効果が認められたものの、最終的には元品種の抵抗性と大差なく、この実用化にはさらに技術的な改良を重ねる必要があることが示された。 2.イネ・β-1,3 ; 1,4-グルカナーゼ遺伝子(Gns1)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴)の後代株について、イネいもち病感染時における防御応答遺伝子群の発現誘導を解析したところ、Gns1の構成的発現とともに、PBZ1、RCC2、RCG3など数種の防御応答遺伝子の誘導的発現の増強が認められた。 3.イネ・β-1,3 ; 1,4-グルカナーゼ遺伝子(Gns1)を再導入したトランスジェニックイネ(品種:日本晴)の後代から作製したカルス細胞について、エリシター処理あるいは無処理による防御応答遺伝子群の発現誘導を解析したところ、Gns1導入株ではGns1の構成的過剰発現とともに、RCG3およびPALの構成的発現の増強が認められた。 なお、本研究課題は、平成13年度基盤研究(S)の新規課題の採択に伴い、平成12年度で廃止となった。
|