研究課題/領域番号 |
12307001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 教授 (50127213)
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研究分担者 |
永島 計 大阪大学, 医学部, 助手 (40275194)
土肥 義胤 大阪大学, 医学部, 教授 (10028574)
稲垣 忍 大阪大学, 医学部, 教授 (90151571)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 体温調節 / 遠心路 / 効果器 / 視床下部 |
研究概要 |
体温のホメオスタシス調節は神経系で行われているにも関わらず、それに関する理解は断片的なものに限られている.その大きな原因は体温調節の神経回路がほとんど明らかになっていないことである.とくに体温調節における温度感受部位、また求心路、遠心路の接点として重要な視束前野からの遠心性神経回路については情報が全く欠如していた.本研究の目的はラットの自律性体温調節効果器へのPOからの遠心性経路を完全に確定することである.00年度は次年度以降の実験のための無麻酔・無拘束ラットの視束前野温度刺激システムの作製を主に行った.実験はWistar系のラットを用いた.(1)水環流式熱極を慢性的に脳に埋め込み、(2)動物が回転すると床が逆方向に同じ角度回転するケージを用いて、少なくとも4〜5時間無麻酔、無拘束の条件下で脳の局所加温、冷却が出来るように実験系を組んだ.01年度はこれを用いて視束前野加温、冷却時の脳内Fos発現部位を検索した.その結果加温時には熱極付近に高密度のFos発現が観察されたが、冷却時にはFos発現は見られなかった.この結果は視束前野には主として温感受性ニューロンが存在しており、冷却時の体温調節反応は温ニューロンの抑制によるものであることを直接的に示すものである.02年度は視床下部から中脳中心灰白質への投射について逆行性のトレーサ(CTb)と暑熱・寒冷暴露時のFos発現を解析することで検討した.皮膚血管運動調節に関係する吻側の中脳中心灰白質にCTbを投与した場合には暑熱に暴露したときのみFosとCTbの二重染色が正中視策前野で観察された.一方非ふるえ熱産生に関係する尾側の中脳中心灰白質にCTbを投与した場合には寒冷に暴露したときのみFosとCTbの二重染色が背側視床下部で観察された.
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