研究課題/領域番号 |
12307020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉川 武男 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー (30249958)
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研究分担者 |
有波 忠雄 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (10212648)
山田 和男 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (10322695)
海老原 充 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (80232974)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 統合失調症 / 家系 / ゲノムスキャン / family-based associatioin / 染色体11番 / 染色体18番 / choline kinase遺伝子 / C18orf1遺伝子 |
研究概要 |
我々は当該研究期間内に統合失調症家系を130家系、総勢420人のサンプルを収集し、全ゲノムを5cM(染色体6番、11番、18番、22番)ないし10cM密度(それ以外の染色体)のマイクロサテライトマーカーを用いてfamily-based association scanを行った。そして染色体9番、11番、15番、16番、18番に有意なP値を認めた。染色体11q13.3番に一番強い関連を認めため、周辺を高密度タイピングしたところcholine kinase遺伝子近傍が感受性部位の候補としてあがった。染色体18番短腕の18p11領域(14Mb)についても16個のマーカーを追加して調べた。その結果、C18orf1という遺伝子由来のマーカーD18S852と6409T>C、およびその遺伝子から約20kb動原体よりのマーカーD18S40で有意な結果を得た。そこで別途収集したunrelated統合失調症患者約200名、unrelated対照者200名のサンプルを用いてtwo-locusハプロタイプ解析を行ったところ、D18S852-6409T>CでP=0.00001を得た。これらの結果は、C18orf1上あるいはごく近傍に統合失調症の感受性変異があることを示唆した。C18orf1は我々が以前クローニングした脳に発現する遺伝子で、タイプIb膜タンパクである。以上の結果から、ゲノム上に日本人で統合失調症の発症に影響を及ぼすいくつかの候補領域、および候補遺伝子を見いだすことができた。今後は、さらに多くのサンプルを収集し遺伝学的確認作業をすると共に、候補遺伝子の機能解析を行っていくことが重要と考えられる。
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