研究分担者 |
門間 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075233)
加藤 裕久 久留米大学, 医学部, 教授 (30080724)
岡田 伸太郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30028609)
和田 洋巳 京都大学, 医学部, 教授 (90167205)
安井 久喬 九州大学, 医学部, 教授 (20089923)
|
研究概要 |
心臓移植・肺移植は、現在欧米では末期的心及び呼吸不全患者の外科治療として定着し,本邦に於いても平成10年には生体肺移植が、平成11年以後9例の心臓移植と3例の肺移植が実施された。成人同様、小児症例においても、重症心筋症ならびに根治不可能な先天性心疾患に対する心臓移植、原発性肺高血圧症ならびに肺線維症に対する肺移植などの臨床応用も欧米では年々数が増し、外科的治療として確立しつつある。しかし、本邦では小児例の心臓移植・肺移植への道は閉ざされたままで、現在もなお海外で移植を受ける小児例が跡を絶たない。このような状況で,本邦で小児の心,肺、心肺移植の臨床応用の実現を目指して、本研究を実施している。具体的には、加藤、越後、岡田らは小児における心臓移植適応基準の検討と実態調査を、門間、松田らは小児における心肺移植適応基準の検討と実態調査を、門間、佐地らは小児における肺移植適応基準の検討と実態調査、小林は小児の海外渡航心臓移植の実態調査を実施した。これにより、本邦においても多くの移植適応患者がいること、多くの小児が海外で移植を受けていることが明らかになった。近藤、安井らは小児例における心・肺保存法の開発を,和田、三好、佐野らは心臓移植・肺移植の術式の検討を行い、成人例において生体肺葉移植、脳死肺移植を実施し,その効果を検討した。川内はドナー不足を解消するために霊長類を用いた異種移植実験を行い、新生児ではブタに対する抗体が少ないために、拒絶反応が起こりにくいことを明らかにした。満留、松石らは小児における脳死判定基準、脳死患者の実態を検討した。今後もこれらの検討を継続して行い,本邦における小児の心,肺、心肺移植の臨床応用の実現を目指すものである。
|