研究概要 |
変形性関節症(OA)の成因に関わる遺伝子の解明を目的として、モデルマウスからのアプローチと罹患同胞対連鎖解析のための症例のDNA収集を行っている。 1.変形性関節症症例のDNA収集 罹患同胞対連鎖解析および相関解析のためのDNA収集を行っている。現在までに、複数の関節に外傷の影響のないOAをきたしている弧発例141例と姉弟例24組33sibshipsを収集した。平成14年度はこれを用いて罹患同胞対連鎖解析を行う計画である。 2.モデルマウスの遺伝子 遺伝性に関節の石灰化と変形をきたすankマウスにおける原因遺伝子ankのヒトhomologueであるヒトAnk遺伝子について、SNPs(一塩基多型)の検索を引き続き行った。これまでに、A1031G、G1559Aの2カ所のSNPsを同定しており、OA症例とコントロールのDNAを用いて、相関解析を行ったが、有意な相関はみられなかった。今後さらにSNPsの検索を進めていき、相関解析を継続する。 3.候補遺伝子アプローチによる相関解析 OAの成因に関わる可能性のある遺伝子を候補遺伝子として、その遺伝子内のSNPsについて相関解析を行っている。今年度は、軟骨変性に関わる可能性のあるMMPs(Matrix Metalloproteinases)遺伝子について相関解析を行った。OA患者138例とコントロール93例を用いて、MMP-1,3,9ののプロモーター部分の多型(これらは機能的に差異を有する多型であることが報告されている)について相関を検討したが、有意な相関はみられなかった。引き続き候補遺伝子アプローチによる相関解析を継続する。
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