研究課題/領域番号 |
12307031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
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研究分担者 |
田中 栄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282661)
星地 亜都司 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236066)
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40282660)
永井 良三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60207975)
小柳 清光 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員
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キーワード | klotho / 遺伝子導入 / 老化 / 骨 / 脊髄 |
研究概要 |
本年度では以下の実績をあげている。 1.ラットの褐色細胞腫由来のcell lineであるPC12細胞、野生型マウスの頭蓋骨より採取した骨芽細胞、骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系より形成した破骨細胞、および肋軟骨より採取した軟骨細胞を培養し、それぞれの培養系におけるklothoの組換えアデノウィルスの導入効率についての至適条件を決定した。また、骨芽細胞系細胞株MC3T3-E1、破骨細胞前駆細胞としてマクロファージ系細胞株C7細胞、軟骨細胞系細胞株ATDC5の培養系においても至適条件を決定した。 2.klotho欠損マウスの脊髄の解析を行った。生後6週のklothoマウスと野生型マウスの頚髄をKB染色し比較検討したところ、klothoマウスの頚髄前角細胞は、野生型マウスの前角細胞と比較して、明らかにその数は減少し、また細胞体も小さいことが判明した。また、細胞のニッスル物質が、klothoマウスの頚髄前角細胞では明らかに少なかった。これは、粗面小胞体の障害を示している。これはまた、リボゾーム、つまりRNAの量が少ないことを意味する。前角細胞の数が少なく大きさが小さいこと、前角細胞数が減少していること、粗面小胞体が障害されている所見はALSの所見に一致する。 3.マウスcDNAをプローブとしてヒトcDNAライブラリーよりヒトklotho遺伝子を分離し全塩基配列を決定し、このヒトklotho遺伝子座の最終exonの下流にCAリピートによるマイクロサテライト多型が存在することを見出した。また、閉経後女性をマイクロサテライト多型によって解析したところ、klotho遺伝子が高齢者における骨量の減少、若年者における変形性腰椎症の重症度に関与していることが明らかとなった。
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