研究分担者 |
内藤 誠二 九州大学, 医学研究科, 教授 (40164107)
香川 征 徳島大学, 医学部, 教授 (40035738)
守殿 貞夫 神戸大学, 医学部, 教授 (30030935)
桑田 善弘 香川医科大学, 医学部, 助手 (30294763)
武田 繁雄 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10227027)
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研究概要 |
本研究は、泌尿生殖器癌の早期診断、浸潤能、転移能の予知、抗癌剤や放射線治療に対する感受性の予測などのための分子診断法の開発と標準化を目的として計画された。その結果、1.早期診断として、(1)膀胱癌患者尿中剥離細胞におけるCD44v8-10とCD44 standard formのmRNA量の比が尿を用いた分子診断法として十分有用であることを明らかにした。(2)表在性膀胱癌の膀胱内再発の予知では、MMP-9およびTIMP-2の発現は再発の独立した予後予測因子であることを証明した。2.予後予測の分子診断では、(1)CD44v8-10とCD44standard formのmRNA量の比やplasminogen activatorが膀胱癌の浸潤性と相関した。(2)Microarrayを用いた腎細胞癌の遺伝子発現プロファイル解析から予後予測を可能にするpowerfulなgene setを発見した。(3)血清VEGF、HGF、エンドスタチン濃度は腎細胞癌の腫瘍マーカーとしての有用性があることをつきとめた。(4)転移の分子診断を目的に尿路上皮特異的分子であるUroplakin IIを標的にしたnested RT-PCRに関して至適条件の設定を行い,異なった2施設で種々の病期の膀胱癌患者血中Uroplakin IIの陽性率を比較した所、極めて類似した結果が得られた。3.抗癌剤感受性予測のための分子診断の開発では,(1)膀胱癌組織におけるがん抑制遺伝子p53のyeastでのfunctional assayによるp53の機能異常の有無と多剤耐性遺伝子MRP1の発現が相関することを発見し、p53に関しては免疫組織学的診断よりも優れている可能性が示唆された。(2)膀胱癌の化学療法では多剤耐性関連遺伝子MDR1,MRP1,2,3の発現が上昇しアドリアマイシンの耐性度とMDR1,MRP1,3のmRNAレベルは相関を示した。
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