研究課題/領域番号 |
12307037
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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研究分担者 |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40281125)
山本 修士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80294065)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
森村 浩之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314325)
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キーワード | 難治性黄斑疾患 / ABCA4遺伝子 / SAGE法 / RGR遺伝子 / 黄斑部ライブラリー / 遺伝子発現解析 / 高度視力障害 / 原因遺伝子検索 |
研究概要 |
本研究では、高度視力障害の主要な原因であるにもかかわらず、有効な治療法のない難治性黄斑疾患の病因を解明し、新しい治療法を開発するのが最終目標である。 本年度は、ABCA4遺伝子が様々な常染色体劣性遺伝の網膜変性症(スタルガルト病・錐体杆体変性症・網膜色素変性症)の原因遺伝子でだけでなく、老人における重篤な視力障害の原因となる加齢性黄斑変性症のrisk factorになる可能性が機能解析でも指摘されているため、我々はABCA4遺伝子のさらなる検討をおこなった。具体的には、日本人の常染色体劣性遺伝網膜色素変性症患者において、昨年度までのABCA4遺伝子解析で同定した日本人のスタルガルト病患者に特有なABCA4遺伝子変異の有無について検討した。ABCA4遺伝子変異をもつすべての網膜色素変性症患者は、病期の初期がスタルガルト病であったことが疑われ、かつ錐体杆体変性症との区別が困難な非典型例であった。ABCA4遺伝子変異による錐体杆体変性症・網膜色素変性症はスタルガルト病の進行した病期である可能性が示唆された。 変性近視も高度の視力低下をもたらす疾患であり、病態解明を目的としてまず実験近視モデルの遺伝子発現変化を検討した。遮蔽により近視化をおこさせたヒヨコの眼とその僚眼であるコントロール眼より、mRNAを抽出しこれら2つのサンプルよりsubtraction法を施行し、僚眼とくらべて発現が増加している遺伝子のcDNAライブラリーを作成した.このcDNAライブラリーより近視化したヒヨコの眼球で発現が増加している遺伝子を同定中である。
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