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2001 年度 実績報告書

難治性炎症性眼免疫病のゲノム構造解析による分子遺伝学的発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12307038
研究機関北海道大学

研究代表者

大野 重昭  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50002382)

研究分担者 小竹 聡  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00186694)
木村 穣  東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
猪子 英俊  東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
陳 進輝  北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90236844)
吉田 和彦  北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90281807)
キーワードベーチェット病 / HLA-B51 / MICA*009 / ヒトゲノムプロジェクト / 疾患感受性 / 分子遺伝学 / Vogt-小柳-原田病 / ぶどう膜炎
研究概要

ベーチェット病,Vogt-小柳-原田病をはじめとした難治性炎症性眼免疫病は,その分子遺伝学的発症機序にHLAが深く関与していることが示唆されている.したがって,HLA遺伝子領域の詳細な解析を行うため,またヒトゲノムプロジェクトの一環として,これまでに我々はHLAクラスI領域の全塩基配列,1.9Mb(1.9X10^6bp)を正確に決定し,ベーチェット病の病因遺伝子はHLA-B遺伝子近傍,特にHLA-B遺伝子のハプロタイプの一つであるHLA-B51と高い相関を示すことを報告した.そこで今年度,ベーチェット病患者のHLA-B51遺伝子領域とそのプロモーター領域の塩基配列を決定し,健常者の塩基配列との比較解析を行った結果,HLA-B遺伝子のイントロン領域,プロモーター領域にはいくつかのSNP多型がみられたが,ベーチェット病特異的な多型はみられなかった.このことから,HLA-B51アリルを特徴づけるSNP多型そのものが,本症発症に関与していると思われる.よって,ベーチェット病はHLA-B51抗原が病因発症に第一義的に働き,それと関係したその他の遺伝・環境要因がからみ合って症状を発症するものと思われる.今年度,トルコ人のベーチェット病患者におけるMICAアリル解析を行い,疾患感受性について検討した結果,トルコ人の健常人群(51人対象)のMICAアリル(13種類)で最も頻度の高いアリルMICA*008(47.1%)でつづいてMICA*009(31.4%)であったのに対し,患者群(34人対象)のアリル(11種類)ではMICA*009(76.5%)で最も高く,次にMICA*008(35.3%)であった.患者群と健常人からベーチェット病に対する疾患感受性の相関をみると,MICA*009アリル頻度が患者群で有意に上昇している(R.R.=7.1 P=0.000046).以上のことから,ベーチェット病では人種をこえて,HLA-B51と第一義的に相関を有し,さらにその他の遺伝子素因として,HLA-B51に連鎖しているMICA*009アリルの有意な増加があり,MIC-A*009-HLA-B*51ミニハプロタイプが本病発症に重要な役割を担っていることが示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mizuki N: "HLA-B*51 allele analysis by the PCR-SBT method and a strong association of HLA-B*5101 with Japanese patients with Behcet's disease"Tissue Antigens. (in press).

  • [文献書誌] Mizuki N: "Microsatellite mapping of a susceptibility locus within the HLA region for Behcet's disease using Jordanian patients"Hum Immunol. 62. 186-190 (2001)

  • [文献書誌] Mizuki N: "HLA class 1 genotyping including HLA-B*51 allele typing in the Iranian patients with Behcet's disease"Tissue Antigens. 57. 457-462 (2001)

  • [文献書誌] Miyata N: "Treatment of Vogt-Koyanagi-Harada's disease during pregnancy"Jpn J Opthalmol. 45. 177-180 (2001)

  • [文献書誌] Imai Y: "Cytokine production and helper T cell subsets in Vogt-Koyanagi-Harada's disease"Current Eye Research. 22. 312-318 (2001)

  • [文献書誌] Verity D: "Microsatellite mapping of a susceptibility locus within the HLA region for Behcet's disease using Jordanian patients"Hum Immunol. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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