研究分担者 |
宮崎 真至 日本大学, 歯学部, 助手 (70239391)
宇野 滋 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (00168733)
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合科研究科, 助手 (00182733)
久保 至誠 長崎大学, 歯学部附属病院, 助教授 (80145268)
池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565)
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研究概要 |
吉川は,各種ボンディング材を使用した光重合型レジン修復物に対して光照射法と照射時間を変えて重合させた結果,弾性のある接着材とSlow-start curing法を併用するとレジン修復物の辺縁封鎖性と窩壁適合性が向上することを報告した。宇野は,レーザー変位センサーにてレジンの重合収縮挙動を測定した結果,収縮は照射開始後約10秒でプラトーに達してSlow-curing法では収縮量が減少しうることを,新海は,重合収縮量測定装置を試作して100mW/cm^2〜800mW/cm^2の各出力によるレジン重合収縮量を経時的に測定した結果,光出力が高くなるほど急激な収縮が起こり,逆に光出力が低ければ緩徐な収縮が起こることを明らかにした。松澤は,低粘性レジンを含む各種光重合型材料の重合線収縮量測定法を開発した。宮崎は,LED照射器による光重合型レジンの硬化深さと縦断面のヌープ硬さを測定した結果,光強度が低い場合には深部における重合状態が十分ではないことを,松井は,重合収縮によるレジン修復歯の歪み量は,LED,ハロゲン,キセノン照射器の順に大きくなることを報告した。池見は,フロアブルレジンは通常レジンを比較して有意に収縮応力が小さいことを,久保は,フロアブルレジンをライニングとして用いるとレジンの接着耐久性は向上するが,フロアブルレジンのみでは逆に劣化することを明らかにした。田村は,トンネル窩洞レジン充填物を咬合側あるいは頬側から光照射して辺縁漏洩を比較した結果,漏洩度は頬側照射の方が低いことを報告した。池田は,重合収縮により発生したエナメル質の微小亀裂の補修にはsurface sealantが有効であると考え,各種ボンディング材の応用を検討中である。福島は,CAD/CAMによるセラミック修復では,歯肉縁下に及ぶ実質欠損はあらかじめ接着性レジンで埋立築盛を行い,歯肉縁上にマージンを設定した方が辺縁封鎖性は向上することを示した。冨士谷は、レーザー処理された象牙質表層には構造欠陥や無構造な層が形成されてレジンとの接着を阻害するため,重合収縮の影響が出現しやすいことを示唆した。
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