研究課題/領域番号 |
12307044
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
石原 祥世 明海大学, 歯学部, 講師 (10223017)
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研究分担者 |
松下 健二 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90253898)
川島 伸之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60272605)
野杁 由一郎 大阪大学, 歯学部, 助手 (50218286)
高橋 慶壮 明海大学, 歯学部, 講師 (70243475)
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
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キーワード | 根尖病巣 / 感染根管 / バイオフィルム / 細菌検査 / 易罹染性宿主 / 掌蹠膿琺疱症 / 全身疾患 |
研究概要 |
感染根管に生息する嫌気性細菌およびそれら細菌により形成されたバイオフィルムの性状を生化学的および微細形態学的に解析し、(1)菌種によってバイオフィルム形成に差がある、(2)菌体外バイオフィルムにglycocalyx様構造物が存在する、ことを明らかにした。また、根管内細菌の同定法として、チェアーサイド嫌気システムに加え、16S ribosomal RNA遺伝子を利用した遺伝子増幅法による同定法を確立した。マルチプライマーを用いた複数菌の同時検出も検討しつつある。さらに、口腔細菌による敗血症を予知するための遺伝子解析を、P.gingivalis株のrecQ遺伝子ならびに偽遺伝子について先駆的に行っている。 根尖病巣における宿主応答は、Fas,Fas ligand,OPG,そしてOPGLといった細胞の生死および骨吸収に関わる分子群の発現様態から調べつつある。 全身疾患と根尖病巣との関連をいくつかの易感染性宿主群について調べた。すなわち、70歳以上の老人病院入院患者を対象とし実態調査した。高齢者は、根尖病巣に加えて歯周病に罹患した被験者が多く、根尖病巣単独の影響を評価できる被験者を増やす必要がある。感染根管治療により皮膚の難治性痒疹湿疹が軽快すること、悪性リンパ腫の増殖時に根尖病変が頻繁に急性化する事例が多く観察できた。そこで、難治性皮膚疾患である掌蹠膿疱症およびアトピー性皮膚炎と根尖病巣との関わりを、白血球の遊走に関連するsE-selectionの血中濃度の動態および各種免疫パラメーターから評価しつつある。また、骨髄移植患者については、根管内細菌の同定と薬剤感受性試験および抗生物質との関連性を検討しつつある。
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