組織器官誘導性生体移植材料の開発

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12307047
• 研究機関: 愛知学院大学
• 研究代表者: 河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60167351)
• 研究分担者: 鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40183488) ; 高橋 好文 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (00090142) ; 福井 壽男 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (50090147)
• キーワード: BMP / 骨形成因子 / インプラント / 生体材料 / 機能性材料 / 移植 / 骨誘導 / 代替骨

研究概要

本年度は昨年度と同様BMPの大量生産を行った。現在、部分精製BMPを年間5g安定製作する事を可能としており、このうち1gを水溶性化した。キャリアーの実験を引き続き行ないポリサッカライドの骨形成能上昇が著しい事が判明した。このため水溶性BMPの保持材としてPindex#100を使用し、生体内部で安定した新生骨誘導を得ることができるようになった。さらにPindexに対して、合成ハイドロキシアパタイトを含有させ強度を上昇させると共に局所におけるリン酸カルシウム濃度の上昇を図りより安定した新生骨形成を試みた。昨年度作成した抗体をディテクターとして使用しrecombinantBMPの生産を試みた。その結果きわめて少量のBMPを得ることができたが、天然抽出BMPと比較してその活性度はきわめて低かった。これらのBMPを元にin vitroにおける軟骨誘導を行ない、人工膜上において安定した軟骨誘導を行なうことができた。さらに生体内部におけるスキャフォールドの形態を模索し、金属メッシュ、セラミック中空チューブにBMPを結合しその新生骨形成能を調べた。その結果メッシュ状あるいは多孔質材料においては新生骨誘導はきわめて良好であるが、中空の形状では新生骨形成が著しく阻害されることが判明した。このように生体内部で新生骨誘導を行なう手法については最終段階に近づいていると考えられ、さらに研究を続行する事により単に新生骨を誘導する材料の開発のみならず、骨系の組織を体内で培養する事が可能な技術の開発にもつながるものと考えられる。

研究成果

• [文献書誌] 伴清治, 蒔田真人, 柳楽英樹, 遠山昌志, 河合達志, 長谷川二郎: "金-白金2元系合金の塩化物溶液中での腐食挙動"愛知学院大学歯学会誌. 39(2). 293-299 (2001)
• [文献書誌] Ban, S., Hasegawa, J.: "Modification of Electrochemically Deposited Apatite Using Supercritical Water."Dental Materials Journal. 20(4). 247-256 (2001)
• [文献書誌] 岸好彰, 高橋好文, 東分吉, 松尾雅斗, 高橋和人, 長谷川二郎: "咬合機能下におけるインプラント界面骨と微小循環"日本歯周病学会会誌. 43(1). 43-51 (2001)
• [文献書誌] Kishi, Y., Takahashi, Y., Azuma, B., Terauchi, Y., Matsuo, M., Saito, M., TakahashI, T., Hasegawa, J., Takahashi, K.: "Regeneration of Vascular Architecture beneath the Implant Interface Epithelium in Beagle Dogs under Plaque Control."Jpn.J.Oral Biol.. 43. 184-188 (2001)
• [文献書誌] Izawa, H., Hachiva, Y., Kawai, T., Muramatsu, K., Narita, Y., Ban, N., .Yoshizawa, H.: "The Effect of Heat-Treated Human Bone morphogenetic Protein on Clinical Implantation."Clinical Orthopaedics and Related Research. 390. 252-258 (2001)
• [文献書誌] Kawakami, T., Kawai, T..Kimura, A., Hasegawa.H., Tsujigiwa, H., Gunduz, M., Nagatsuka, H., Nagai, N.: "Characteristics of Bone Morphogenetic Protein-induced Chondroid Bone : Histochemical, Immunohistochemical and in situ Hybridization Examinations."The Journal of International Medical Research.. 29. 480-487 (2001)