研究課題/領域番号 |
12307052
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 透 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10272486)
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研究分担者 |
菅 敏幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10221904)
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キーワード | エクチナサイジン743 / ピペラジン / テトラヒドロイソキノリン / 光学活性イミノエステル / 不斉アミノヒドロキシル化 / 環化反応 |
研究概要 |
エクチナサイジン743の5環性骨格を有する化合物を重要中間体と設定して合成を行っている。その中央部ピペラジンと、右に連結するテトラヒドロイソキノリンの構築を、モデル化合物と同様の環化反応を用いて行うことにした。そこで、構成ユニットである、2つの光学活性アミノ酸誘導体の合成を検討した。 右のユニットについては、大量に入手可能な天然型のアミノ酸である(S)-チロシンからの誘導を試みたが、穏和な条件下での芳香環への位置選択的なヨウ素原子の導入が困難であったため断念した。そこで、別個に合成した芳香環とグリシン等価体とを連結する収束的戦略をとることとした。そこで、安価な(α)-ピネンより誘導した光学活性イミノエステルのジアステレオ選択的アルキル化を試みたところ、高い立体選択性で望みの光学活性アミノ酸を得ることに成功した。左のアリールグリシノールユニットには、市販のセサモールを原料とし、ケイヒ酸誘導体にSharplessの不斉アミノヒドロキシル化反応を行い、ベンジル位への窒素原子の導入する、効率的な合成ルートを確立した。 大量にも合成可能な2つのアミノ酸ユニットを、効率的に縮合し中央部ピペラジン骨格の構築した。続くテトラヒドロイソキノリンへの環化反応は、モデル反応同様の反応条件下円滑に進行し、所望の3環性化合物を高収率で得ることに成功した。現在、得られた3環性化合物よりさらなる変換を行い、5環性骨格の構築を検討中である。
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