研究課題/領域番号 |
12307052
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 透 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10272486)
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研究分担者 |
菅 敏幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10221904)
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キーワード | エクチナサイジン743 / 抗腫瘍活性 / アルカロイド / Heck反応 / 10員環チオエーテル化 / 全合成 / 大量供給 |
研究概要 |
エクチナサイジン743は、カリブ海源産のホヤ(Ecteinascidia turbinata)より単離された、強い抗腫瘍活性を有するアルカロイドである。現在、この化合物は欧米10数カ国において第2臨床試験に進み、有効な抗癌剤として期待されている。しかし、天然からは極微量にしか得られないことから、効率的な合成ルートの確立による大量合成が強く望まれている。本年度は、A環部アミノアルコールとE環部アミノ酸を連結した化合物から、エクチナサイジン743の立体選択的な全合成を達成することができた。D環の構築のHeck反応により生じる二重結合に立体選択的な水和反応とアミドの部分還元により、アミノニトリルを得た。B環の閉環はフェノールのアルデヒドに体するアルキル化反応により達成し、5環性中間体を合成した。これにシステインを導入後、10員環チオエーテル化を行った。さらに5行程を経て全合成を達成した。現在、大量供給を目的とし、本合成ルートのさらなる改良を検討中である。
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