研究課題/領域番号 |
12307059
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
有森 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90218975)
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研究分担者 |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
溝口 満子 東海大学, 健康科学部, 教授 (00287103)
中込 さと子 広島大学, 医学部・保健学科, 助教授 (10254484)
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
安藤 広子 岩手県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20267503)
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キーワード | 遺伝 / 看護 / 実践能力 / 教育 / モデル / 評価 / フォーカスグループ |
研究概要 |
遺伝看護の実践能力を育成する教育プログラムの開発と評価をめざして進めてきた研究の最終年度となる本年度は、遺伝看護セミナー終了後半年を経過した時点での本研究は、当研究班の遺伝看護教育プログラムを受けた看護職者の、現在の看護実践に関する意識及び行動変容の実態を明らかにし、今後の遺伝看護教育についての示唆を得ることを目的としてフォーカスグループインタビューを行った。夏・冬・春の3回、のべ7日間にわたるセミナーを受講した看護職26名中、参加の同意の得られた7名を対象に、フォーカスグループインタビューを行った。その結果、1)臨床現場における課題(1)スタッフ間で遺伝的課題に関する事例検討ができない。(2)遺伝学的知識をどのように看護実践に応用するのは容易ではない。(3)治療の差し控え、人工妊娠中絶など治療停止のターミネーションの判断、父母への支援,そのほか多様な価値や選択に対する課題に対応できない。2)遺伝医療の中の看護者の立場(1)クライエントの体験そのものに関心を持つ訓練が必要である。擁護者(例えば、ICUなら父母や子どもの擁護,多様な価値を持つ人々)となること3)教育プログラムの評価(1)クライエントの体験そのものに関心を持つ訓練が必要である。(2)遺伝学的知識、カウンセリングスキルなど、実践に対応したプログラムが必要である。(3)自分と違う考えや価値観に対応する柔軟性と倫理観を学ぶ必要がある。(4)遺伝性疾患のあらゆるシチュエーションに関与する看護職者との交流の必要性(5)死にいく人へのケア(治療法がない遺伝性疾患ゆえに治療を停止あるいは差し控えるという状況への対応)6)遺伝学から生命を理解する。以上の内容が明らかとなった。 また、成果物の発表として遺伝看護セミナーの評価を、国際遺伝看護学会で発表した。(International Society of Genetic Nursing 16^<th> Annual Educational Conference)ポスターセッションにおいては、これまでの一連の遺伝看護教育プログラムとの関連で高い関心を得た。さらに教育モデルの評価として総括となる報告書(冊子)を作成し関連機関(約506ヶ所)への広報に勤めた。
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