研究課題/領域番号 |
12307059
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
有森 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90218975)
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研究分担者 |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
安藤 広子 岩手県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20267503)
溝口 満子 東海大学, 健康科学部, 教授 (00287103)
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
中込 さと子 広島大学, 医学部保健学科, 助教授 (10254484)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 遺伝 / 看護 / 実践能力 / 教育 / モデル / 評価 |
研究概要 |
本研究は現代における遺伝看護に求められる実践能力を明らかにし、そこから導かれた教育カリキュラムにそって、遺伝看護教育プログラムを実施し評価することによって、遺伝に関連した医療場面で充実したケアが提供されていくことを目指した。以下本研究の成果を記す。 (1)聞き取り調査および既存の文献検討より看護職に求められるVII領域89項目からなる遺伝看護の実践能力を明らかにした。遺伝医療に携わる医療者(約500名)を対象として、コンセンサスメソッドであるデルファイ法により、各項目が、「一般看護職者(すべての看護職)」と「遺伝専門看護職者」のいずれに求められる内容であるのかを識別した。 (2)一般看護職に求められる遺伝看護の実践能力から、遺伝看護カリキュラムを構築した。遺伝看護セミナーのパイロットスタディを企画し実施し、評価方法、受講生の達成度について検討した。 (3)パイロットスタディの評価を踏まえて、遺伝看護セミナーを行った。教育プログラムは、遺伝看護の学習コンテンツが事例を通して学べるように教育内容を構成し、教育方法としてグループワークや、ロールプレイを行った。結果、知識は有意に上昇し満足度、理解度も高い結果を示した。相互評価を行ったロールプレイは、自己評価の方が高かった。看護者の実践能力の評価は、受講者自身の評価では変化はみられなかった。一方、受講生のフォーカスグループインタビューにより、「遺伝に関する看護の考え方」などの変化が生じていたこと、また、職場で遺伝的課題に関する事例検討ができないなどの臨床現場の抱える課題が明らかとなった。 (4)今後の課題として、遺伝看護教育プログラムの効果を測定する患者の指標を検討していく必要がある。また、このような継続教育としての遺伝看護教育プログラムを、今後どの組織が運用することがのぞましいかについては、さまざまな遺伝医療の組織が有機的に協働していくことが望まれる。
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