アジア・太平洋地域における人口移動変化の総合的研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12308002
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 石川 義孝 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30115787)
• 研究分担者: 中川 聡史 神戸大学, 経済学部, 助教授 (10314460) ; 高橋 眞一 神戸大学, 経済学部, 教授 (80030683) ; 久武 哲也 甲南大学, 文学部, 教授 (70108968) ; 祖田 亮次 広島大学, 地誌研究資料センター, 助手 (30325138) ; 熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 文育学部, 助教授 (80153344)
• キーワード: 人口移動転換 / ディアスポラ / 移民 / 国際労働移動 / 引退移動 / 人口統計

研究概要

当初の計画に従い、既往文献の収集や関係データ・資料の収集を行った。その結果を持ち寄って、平成13年9月15日(第3回集会)と平成14年1月12・13日(第4回集会)の2回の集会において、発表とそれに基づく討議を重ねた。取り上げられた国は、カナダ・米国・韓国・中国・タイ・トルコ・パプアニューギニア・オーストラリアなどであり、これらの諸国における国内移動・国際移動の概観が、官庁統計を用いた分析やインタビューによる移動歴調査から、明らかにされた。さらに、先進国から発展途上国まで、多様な国々が存在するアジア・太平洋地域における人口移動変化の実態を包括的に捉えるさいの分析枠組みの可能性に関しても、意見交換が行われた。とりわけ、1990年代以降に生じている新しい動向、例えば、「宇宙飛行士型」移動者の出現や世界各地への家族の分散などの位置づけをめぐって、詳しい検討が加えられた。
なお、特に第3回集会においては、東南アジアを中心とする地域における優れた成果を発表してきた、著名な研究者であるRonald Skeldon教授(英国サセックス大学)を招聘し、「人口移動と人口流動:回顧と展望」という題目での講演をいただき、その後、活発な質疑がかわされた。また、同集会において当初講演予定であったKao-Lee Liaw教授(カナダ・マクマスター大学)のペーパー「高齢者人口移動をめぐる主要な理論的見解」が代読され、それに基づいた討議が行われた。

研究成果

• [文献書誌] Ishikawa, Y.: "Migration turnarounds and schedule changes in Japan, Sweden and Canada"Review of Urban and Regional Development Studies. 13/1. 20-33 (2001)
• [文献書誌] Ishikawa, Y.: "Population geography with GIS in Japan"GeoJournal. 52/3. 189-194 (2001)
• [文献書誌] Fotheringham, S., Nakaya, T., Yano, K., Openshaw, S., Ishikawa, Y.: "Hierarchical destination choice and spatial interaction modelling: a simulation experiment"Environment and Planning A. 33/5. 901-920 (2001)
• [文献書誌] Boris A.Porno, Doo-Chul Kim, Yoshitaka Ishikawa: "Investigating the Effects of Employment-housing Change on Migration: Evidence from Japan"International Journal of Population Geography. 7/3. 1-24 (2001)
• [文献書誌] Soda, Ryoji: "Rural-urban migration of the Iban of Sarawak and changes in long-house communities"Geographical Review of Japan (Ser.B). 74/1. 92-112 (2001)
• [文献書誌] 中川聡史: "結婚に関わる人口移動と地域人口分布の男女差"人口問題研究. 57/1. 25-40 (2001)
• [文献書誌] 石川義孝: "人口移動転換の研究"京都大学学術出版会. 305 (2001)