研究概要 |
下記2つのサブテーマに沿って研究を行った。 A.通信回線共有方式 通信回線共有方式は,各々が無線などによる外部通信路を具備した複数のモバイル端末どうしが,無線LANなどにより一時的なネットワーク(クラスタ)を構成することを想定し,このクラスタとクラスタ外部の固定ネットワーク間での通信時に個々のモバイル端末が持つ外部通信路を同時に使用することで,個々の端末の持つ通信能力が小さくても擬似的に高速な通信を可能とする通信手法である。本年度は通信プロトコルの各階層(ネットワーク層,データリンク層,アプリケーション層)での実現手法の検討と,シミュレーションならびにプロトタイプによる性能評価を行った。また,クラスタ内のモバイル端末の通信資源を管理するプロトコルを設計し,実システム上での性能評価を行った。 B.集中無線制御方式 集中無線制御方式は,個々のモバイル端末の無線通信機能に代えて高速無線通信機能をクラスタを代表する装置に持たせ,固定網との通信を効果的に行う手法である。固定網とクラスタの代表機器との間は比較的高速な通信が可能であることを利用して個々のモバイル端末にない通信機能を代用させることを狙っている。本年度は通信回線共有方式でのクラスタ内端末管理方式を応用し,クラスタ外部への通信手段を持たない端末がクラスタ代表装置に通信を委託するための基本方式について検討した。
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