研究課題
映像制作の現場では、一カットの撮影のほんの些細な動作、カメラアクションに対しても演出が入り、動作の指示が細かく入ると考えられる。そこで、仮想空間で撮影現場を想定し、ユーザが監督として指示を与えるシステムを構築を現在行なっている。このようなシステム上で、カメラや役者キャラクタに対しての指示を多く蓄積することが、動作と自然言語とを対応付けられるデータの収集になると考えている。撮影では、一つの動作に対しても単にそれを行うのではなく、そのやり方に対する指示が多く発生する。またそれらは、直前の行為の修正や、行為の対象の変更であると予想されるため、文脈上は明らかな点が指示中から省略される可能性が大きい。このことから、動的に変化する環境下における省略語の推定問題の課題を提供する仕組みとしても仮想空間での撮影現場は役立つと考えている。仮想空間、実空間を問わず、世界を把握し、自然言語で状況を説明することは現状において困難である。そこで、幾何的に表されている物体の配置を記号化した言語表現に置き換えるための繋ぎとなる関数を検討し、物体の位置関係を記号化して記録出来る仕組みを構築中である。物体関係のコーパスから、自然言語の指す状態との対応が発見できるように検討中である。