研究課題/領域番号 |
12308019
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 雄一 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
|
研究分担者 |
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
森川 惇二 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助手 (70192375)
岩熊 成卓 九州大学, 工学部付属超伝導科学研究センター, 助教授 (30176531)
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
|
キーワード | 2流体緩和プラズマ / 高べータ / 内部導体装置 / 磁気浮上コイル / 高温超伝導線材 / 永久電流スイッチ / フィードバック制御 / GM冷凍機 |
研究概要 |
高速プラズマ流下でのプラズマ緩和に基づく超高ベータプラズマ閉じ込めの可能性を探究すべく、磁気浮上内部導体装置Mini-RTを建設した。Mini-RT装置は、直径1mの大口径真空容器内に高温超伝導コイルを磁気浮上させ、ダイポール磁場によりトーラスプラズマを生成・閉じ込める装置である。ここではBi-2223線材を用いて、これに永久電流スイッチを内臓させたコイルを製作した。コイル冷却は着脱式のトランスファーチューブを用いた低温ガスヘリウム冷却であり、20Kまでの冷却に成功した。コイル冷却には約15時間を要し、約15時間で冷却可能であることが確認された。コイル電流の励磁には、比較的高抵抗のBi-2223線材を用いた永久電流スイッチを内臓させることにより、着脱式の電流リードからの直接励磁方式を用いた。コイル電流としては約30kATまでの永久電流を流すことに成功した。このコイル電流により約1kGの磁場が発生できるので、2.45GHzの電子サイクロトロン加熱によりプラズマの生成実験を行った。数百Wレベルの加熱パワーで、プラズマ密度10^9-10^<10>cm^<-3>であることが確認された。 本研究の所期の目的である、高温超伝導コイルを用いた内部導体装置を製作し、真空容器内での冷却・励磁試験が実施できるまでになり、プラズマ着火に成功した。なお核融合プラズマ実験装置に高温超伝導コイルを直接適用したのは、Mini-RT装置が世界初である。コイル電流のさらなる増大によるMini-RT装置性能の向上を図る事により、高密度・高温プラズマの生成に向けた研究が可能となった。さらに、様々な方式による高速プラズマ流の誘起に基づく超高ベータプラズマの生成・制御へむけた研究へと発展させることが可能となり、本研究のより一層の発展が期待できる事がわかった。
|