研究課題/領域番号 |
12308026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 隆治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143366)
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研究分担者 |
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50214044)
坂本 竜彦 海洋科学技術センター, 固体地球統合フロンティア研究システム, 研究員 (90271709)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 日本海 / 最終間氷期 / モンスーン / 黄砂 / アルケノン / ダンスガード・オシュガーサイクル / 気候モードジャンプ |
研究概要 |
秋田沖MD-2408コアの上部27m(過去16万年分)についてのアルケノンおよび主要元素組成分析と、秋田沖PC-5コア後氷期および酸素同位体ステージ〔MIS〕6,5にかけての部分のより高時間解像度での砕屑物粒度分析を行った。そして、一昨年度に分析した隠岐堆、秋田沖の結果と比較する事により、黄砂粒径およびアルケノン古水温について、南北2地点差の時代変動の検討を行った。その結果、以下のような事が判った。1)秋田沖PC-5コアに記録された過去10万年間の黄砂粒径変動は、グリーンランドアイスコア〔GRIUP〕の酸素同位体比に記録された数百〜数千年スケールの急激な気候変動〔DOC〕を忠実に記録している。更に、PC-5コアの最終間氷期極相期部分の黄砂粒径変動記録は急激な変動を繰り返しを明確に示し、それは、信憑性が問われていたGRIPの最終間氷期部分の酸素同位体比変動記録とも良く対比できる。従って、最週間氷期における気候モードジャンプの繰り返しは、実在したと考えられる。2)秋田沖PC-5と隠岐堆MD-2407の黄砂粒径の過去13万年間の変動様式を比較した結果、夏季モンスーンが強化されたと考えられる北半球低緯度夏の日射量増大時には、南における黄砂粒径が北に比べて増大する事、DOCの亜間氷期にも同様な現象が起こる事が明らかになった。これは、気候モードジャンプが、夏季モンスーンフロントの南北移動を伴っている事を示す。3)秋田沖MD-2408と隠岐堆MD-2407におけるアルケノン古水温は、最終間氷期極相期に、現在より5度近く暖かかった。そして、対馬暖流第二分岐流の影響を定常的に受けていた隠岐堆では、DOCに連動した古水温変動は見られなかったが、対馬暖流第一分気流の影響を受けていた秋田沖では亜間氷期に古水温が上昇する傾向が、MIS3から5にかけて認められた。
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