研究分担者 |
帰山 雅秀 北海道東海大学, 工学部, 教授 (80305937)
清水 勇 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
日高 敏隆 総合地球環境学研究所, 所長 (70014892)
栗山 浩一 早稲田大学, 政治経済学部, 助教授 (50261334)
西本 豊弘 国立歴史民族博物館, 教授 (70145580)
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研究概要 |
昨年度に引き続き、様々な方法論でもって地球温暖化と人為的環境攪乱が、生物多様性及び人間社会に及ぼす影響を時間的空間的マルチスケールで研究し、本年度は以下のような研究成果を得た。(和田)富栄養化の指標としの堆積物や懸濁粒子のδ^<15>Nの分析を行った。モンゴル・セレンガ河南東流域部と琵琶湖東岸蛇砂川-西ノ湖内湖に関して、堆積物と懸濁有機物の窒素同位対比(δ^<15>N)について比較検討し、δ^<15>Nが上流から下流への流れに沿って、人口密度の増大に伴って上昇することを明らかにした。(清水)都市環境に生息する生物集団の遺伝的多様性を調べるため,モンシロチョウとスジグロシロチョウを用いて,AFLP法による集団遺伝学的解析を行った.個体間の比較では,モンシロとスジグロの種間差は明瞭に示されたが,集団の違いは現れず,別集団の個体がモザイク上に入り交じる結果となった.個体を集団毎にまとめて解析したところ,モンシロよりもスジグロの方が集団間の分化が進んでいることが示された。(日高、石井、工藤、石田)東京・大阪などいくつかの都市におけるモンシロチョウとスジグロシロチョウの過去および現在の生息状況について、文献の調査およびアンケート調査による情報収集を広く集めた。また、定期的にこれらの都市での採集およびルートセンサス調査を行い、今年度の生息状況と発生消長についても記録をした。これらの調査結果から、二種のチョウの各都市での生息状況の特徴や、過去から現在に至る分布状況を現在分析中である。(西本)北海道東部の斜里町・羅臼町・根室標津町・根室市を訪れてサケ・マス遺体出土遺跡と現在のシロザケの生態について、教育委員会や博物館学芸員から聞き取り調査を行った。また、海岸地形や海底地形、定置網の設置場所などについても情報を集め研究室でコンピュータに入力した。また、北海道全域のサケ・マス出土遺跡を集成し、コンピュータに入力した。さらに北海道近海の海流の動きなども加えて、GIS技術を用いて解析した。(帰山)サケ属魚類の摂餌生態と栄養動態を2001年6月下旬から7月中旬にかけアラスカ湾において調査した。アラスカ州ウッド川水系アレクナギック湖、北海道東部忠類川および札幌市豊平川においてサケ属魚類による物質循環の役割について調べた。外来魚が自然生態系および在来種に及ぼす影響について支笏湖において調べた。(栗山)GISアプリケーションを用いて土地利用データを分析するための空間的統計解析の方法を検討した。土地利用の経済モデルを構築し、土地利用選択に関する離散選択モデルの構築を行った。さらに、環境評価手法である「コンジョイント分析」の可能性を検討し、CBC/Webを用いてインターネット上での調査モデルを構築した。
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