研究課題/領域番号 |
12308034
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80127092)
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研究分担者 |
谷口 雅彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70260346)
横溝 岳彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)
和泉 孝志 東京大学, 大学院・医学部, 教授 (70232361)
魚住 尚紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70313096)
石井 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10300815)
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キーワード | ホスホリバーゼA2 / 脂質メディエーター / ロイコトリエン / アラキドン酸 / 受容体 / 血小板活性化因子 / 神経可塑性 / 神経発生 |
研究概要 |
1.脂質メディエーター産生酵素(ホスホリパーゼA2)の研究 (1)ホスホリパーゼA2欠損マウスの解析 ホスホリパーゼA2欠損マウスの種々の表現型を解析し、脂質メディエーターが大腸ポリープ、関節リウマチ(コラーゲン誘導性関節炎)、肺線維症(ブレオマイシン誘導肺臓炎)、炎症性骨疾患、血栓形成などに関与することを発表した。これらの成果は、Nature Immunology, Nature Medicine, Journal of Experimental Medicineなどに発表された。 (2)ホスホリパーゼA2γの性質の検討 従来活性のない酵素遺伝子と考えられていた本酵素が、適切な測定条件ではin vitroで活性を示し、また、無傷細胞でも過酸化水素などの酸化ストレスで脂肪酸の放出を促すことを報告した (3)ホスホリパーゼA2βの各種isoformの単離 αと同じく、C2ドメインを持ち、カルシウムで活性化される酵素を単離した。現在、その詳細な解析を進めている。また、脳に特異的に発現する酵素の単離も行った。 2.脂質メディエーター受容体の研究 (1)ロイコトリエンB4の二つの受容体の単離、また、それぞれの欠損マウスの作製を進めている。 (2)ロイコトリエンC4,D4を認識するCysLT1,CysLT2のマウス受容体を単離した。これらの遺伝子の発現が同じマウスでも系統により、著しく異なっていることを明らかにした。CysLT2欠損マウスはキメラマウスが誕生した。 (3)SNP解析により、ヒトにPAF受容体遺伝子の変異があることがわかり、この変異体を解析したところ、結合能は正常だが、シグナルに異常があることが明らかとなった。 (4)PAF受容体のシグナル、また、受容体結合後のリガンドの代謝経路が明らかとなった。 (5)PAF受容体欠損マウスの表現型の解析から、PAFが神経発生、神経伝達、精子の受精能獲得などに関与していることが明らかとなった。
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