研究分担者 |
谷口 雅彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70260346)
横溝 岳彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)
和泉 孝志 群馬大学, 医学部, 教授 (70232361)
魚住 尚紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70313096)
石井 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10300815)
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研究概要 |
細胞が刺激を受けるとホスホリパーゼA2が活性化され、各種の脂質メディエーターを産生する。脂質メディエーターは神経伝達物質やホルモンと協調作用を営みながら、生体の恒常性の維持や、防御に働いている。本研究課題では、これら脂質メディエーターの産生とその作用機序について細胞レベル、分子レベルから個体レベルに至る総合的な研究を推進した。これらの結果は、Nature Immunology, Nature Medicine, Journal of Experimental Medicineをはじめとする50を越える英文論文として公表した。 1.ホスホリパーゼA2α欠損マウスの解析と他のホスホリパーゼA2の研究 ホスホリパーゼA2α(以下cPLA2α)欠損マウスは生殖機能や神経可塑性に異常を認めた。このほか、急性肺損傷、気管支喘息間質性肺炎、炎症性骨疾患、自己免疫性骨疾患のいずれでも著明な症状の軽減化を認めた。さらに、プロトタイプのcPLA2阻害剤も効果を認めた。cPLA2α以外のホスホリパーゼA2(kids cPLA2,beta, gamma cPLA2)を単離し、そのin vitroにおける性質を解明している。 2.ロイコトリエン受容体の研究 ペプチド性ロイコトリエンに反応するマウスCysLT1,CysLT2、及びロイコトリエンB4に結合するBLT1,BLT2の4種の受容体を単離し、詳細な性質、リガンド特異性、プロモータ活性、組織分布などを調べた。また、遺伝子構造より3種の受容体に関してはターゲッティングベクターを作製し、現在ノックアウトマウスの作製中である。 3.その他のGタンパク共役型受容体に関する研究 PAF受容体に関しては、SNP解析で喘息患者中に変異を新しい変異を見いだした。また、PAFが受容体結合後の細胞内での分解、さらに再アシル化の過程が明らかとなった。PAF受容体欠損マウスの解析より、神経発生の異常や精子の活性化能に異常が認められた。
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