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2000 年度 実績報告書

ホヤ胚における脊索形成の遺伝子カスケード

研究課題

研究課題/領域番号 12308038
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 矩行  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30025481)

キーワード脊索 / Brachyury / 特異的遺伝子 / ホヤ / 発現制御 / 機能制御 / 脊索動物 / 進化
研究概要

脊索は脊索動物を特徴づける最も本質的な形質であるばかりでなく、脊索動物の発生において神経系の誘導など中軸器官として重要な役割を担う。本研究の目的は、発生における細胞系譜が明らかになっているホヤ胚の特徴を生かして、その脊索形成の遺伝子カスケードの全貌を明らかにすることである。1990年にクローニングされたマウス突然変異Brachyuryの原因遺伝子はT-ドメインとよばれる新規のDNA結合ドメインを含む転写因子をコードする。ホヤのオタマジャクシ幼生の発生に伴って尾の中央に46個の細胞からなる脊索が形成され、ホヤBrachyury(Ci-Bra)遺伝子は予定脊索細胞でのみ発現する。この遺伝子を異所的に発現させると予定内胚葉細胞などが脊索細胞に変化するので、Ci-Braは脊素形成のマスター遺伝子として働くと考えられる。さらにCi-Braの下流で働く遺伝子のcDNAクローンの巣離を試みたところ、Ci-Braによって活性化する約500個の遺伝子のcDNAクローンの単離に成功した。しかもその中の40個が脊索に特異的または優先的に発現する遺伝子のものであることをつきとめた。
本年度はまずこれら40の遺伝子のcPNAクローンのうち20クローンの全塩基配列を決定した。その結果、ショウジョウバエの細胞の形を制御するPrickle相同遺伝子、ERM,細胞外基質の形成に関わるleprecan,細胞周期を調節するcdc45など、脊索形成で働く遺伝子の多くが明かになった。現在さらに残りのクローンの全塩基配列の決定を急いでいる。またこれらの脊索特異的遺伝子の発現調節機構を明らかにするためにゲノムクローンを単離中であり、これらの遺伝子のゲノム内てのオーガニゼーションや、発現調節領域におけるBrachyuryタンパク質の結合配列などに留意しながら明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hotta,Kohji: "Characterization of Brachyury-downstream notochord genes in the Ciona intestinalis embryo"Developmental Biology. 234. 69-80 (2000)

  • [文献書誌] Nishino,Atsuo: "The simple tail of chordates : Phylogenetic significance of appendicularians"Genesis. 29. 36-45 (2001)

  • [文献書誌] Nishino,Atsuo: "Brachyury (T) gene expression and notochord development in Oikopleura longicauda"Development, Genes and Evolution. 211(in press). (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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