研究分担者 |
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
長谷川 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004460)
今泉 俊文 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50117694)
大口 健志 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (40006664)
|
研究概要 |
隆起帯の形成メカニズムについては,thick-skinned型のpop-upによって形成されるものと,thin-skinned型の断層折れ曲がり褶曲などによって形成される場合が想定される.奥羽脊梁山脈の隆起については、地震発生層に単純なランプを想定して大きな矛盾はない。しかしながら、その西側に位置する隆起帯である由利丘陵については,地層の層相や構造形態から推定される新第三系の伸張テクトニクスや微小地震の震分布から判断して,大規模な断層折れ曲がり褶曲による隆起帯の形成メカニズが推定される. この由利丘陵のフラット・ランプモデルを検討するために,地殻深部までの詳細な地下構造の解明を目的とした反射法地震探査を行った.測線は由利丘陵の西部から東西に由利丘陵を横断し,横手盆地西部に至る全長30kmの測線で,実験は2000年7月に実施された.使用した震源はバイブロサイス(4台)およびタイナマイト(50kg,3点)である.受振点間隔は50m,バイブロサイスの発震点間隔は250-300mである. ダイナマイトのショットギャザーには下部地殻に相当する往復走時5秒以下の領域でも,水平もしくは緩傾斜のイベントが見られることから,背弧域の下部地殻も反射層に富む性状を示していることが明らかになった.反射法地震探査結果は共通反射点重合法にもとづいて処理された.反射法地震探査の重合断面については,中間処理段階ではあるが由利丘陵東部の往復走時4から3.5秒付近には,東に傾斜したイベントが存在する.この反射イベントは1914年の秋田仙北地震(M7.1)の余震域の近傍であり,由利丘陵を隆起させた断層のランプに相当する可能性がある.
|