研究概要 |
(1)マグネタイト微粒子の作製と評価 比表面積が大きく分散性のよいマグネタイト微粒子として、当初予測した粒径(40-100nm)よりはるかに小さく(7-10nm)作製する技術を開発することができた。すなわち大気に開放された容器に容れられた純水を撹拌しつつ、そこにFeCl_2+FeCl_3の反応液とNH_4OH水溶液を添加するだげという簡単な操作で、反応液中のイオン比をFe^<3+>/Fe^<2+>=1.0とすることによって前記の超微粒子を室温以下(5-25℃)の完全中性条件(pH=7.0)下で、しかも数分内の短時間で作製することができた。このマグネタイトに他の金属イオンM(=Ni,Co,Mn,Zn)を固溶させることにより、飽和磁化と抗磁力を任意の値に調節したスピネル型磁性微粒子を作製することもできた。 (2)抗がん磁性プローブの作製と評価 抗がん剤にフェライト微粒子を固定して、磁気分離可能な抗がん在性プローブを作製するための基礎実験としてアルブミン(MSA)とカルボキシルメチルセルロース(CMC)の水溶液中で前記(1)の実験を行い、これらの生体高分子にFe_3O_4微粒子が固定化されていることをUVスペクトルおよびVSM測定などによって確認した。
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