研究課題/領域番号 |
12351002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 主任研究員 (30241269)
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研究分担者 |
難波 洋三 (独)京都国立博物館, 学芸課, 室長 (70189223)
小林 謙一 (独)奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (70110088)
佐藤 宏介 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90187188)
伴 好弘 神戸大学, 総合情報処理センター, 助手 (30314404)
古谷 毅 (独)東京国立博物館, 学芸課, 室長 (40238697)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | デジタルアーカイブ / 三次元形状計測 / レーザーレンジファインダ / 考古学 / デジタル計測 / 遺跡計測 / 遺物計測 / 形状比較法 |
研究概要 |
昨年度開発した考古遺物用三次元デジタルアーカイブシステムを使って従来の計測器では難しかった複雑系考古遺物の計測を行い、その計測結果の評価を行った。従来難しかった多視点での計測データの統合方法として、三次元計測装置の位置を別の磁気センサーで検出するシステムを開発して考古遺物に特化したシステムを構築した。複雑系の考古遺物として銅鐸や大型の形象埴輪(舟、人物、甲冑等)、鉄製甲冑、鬼瓦などを計測対象とし、手計りの実測が難しい遺物でスムーズに形状データが取れるようになった。一部の金属製遺物(メタルの残りがいい遺物)については磁気の影響から多少精度が落ちる場合があることが判明したが、当初の研究目標であった複雑な考古遺物の計測を迅速かつ精確に行う3次元の計測システムを開発できたとの評価を得た。また、3次元計測を用いた新しい研究方法として加茂岩倉遺跡出土の銅鐸を中心に立体的な同氾比較を行い、定量的な比較方法として非常に有効であることが確認できた。データの表現方法としてはデジタル拓本化のソフトを開発したが、最終的な目標である図面化についても試みたが現段階では選択的な線の抽出は難しく、今後の課題となった。 今回の研究で中型(2m未満)の考古遺物の三次元計測はある程度実用化の目処が立った。今後はできるだけ多くの遺物のデジタル化を進めて行きたい。また、デジタルデータの活用法についても考古学の研究だけでなく、将来のデジタルミュージアムのコンテンツとしての活用法や修復への応用などを考えていきたい。さらに、大型の石造遺物や遺構についても3次元計測の先行研究を行い、発掘作業に応用できるシステムの開発を行って文化財の3次元デジタルアーカイブ技術を確立していきたい。
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