研究課題/領域番号 |
12354001
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
石黒 正人 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (40023684)
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研究分担者 |
松尾 宏 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 助教授 (90192749)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
伊藤 弘 NTTフォトニクス研究所, 主幹研究員
上田 暁俊 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (30332159)
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キーワード | ALMA / フォトニックローカル / 電波天文学 / UTC-PD |
研究概要 |
本研究では、電波干渉計で用いるための局部発振器の開発を行っている。従来は、ガン発振器(80GHz程度)を源発振とし、それの逓倍波を電波望遠鏡の局部発振信暑として、使用してきた。しかし、この方式では受信機内部に多くの機器を入れる必要が勘る、比帯域幅が取れない、等の欠点がある。次期干渉計計画ALMAの観測周波数は、30〜950GHzであり、この周波数域を10の受信機で観測する。従って、局部発振器には、コンパクトかつ広比帯域である事が要求される。我々のグループでは、局部発振信号を2台のレーザーの差周波に載せ、アンテナへ供給する方法(フォトニックローカル)を提案している。今年度における研究の成果を挙げる。 (1)超伝導受信機を使用し、ガンダイオードとフォトニックローカル発生信号の比較を行った。この比較のおいて雑音温度22Kでガンダイオード、フォトニックローカル両者に性能差は確認されなかった。 (2)フォトニックローカルは80Kに冷却して使用される。従って、作成したフォトニックローカルの冷却を行なった。冷却に伴う光学系のずれのため精密な計測のは至っていないが、冷却した状態でも動作可能である事を確認した。 (3)NTT未来ねっと研究所で周波数可変位相安定レーザーを開発した。 (4)NTT未来ねっと研究所で開発をしたレーザーを用いてフォトミクサを駆動し、国立天文台野辺山の45m電波望遠鏡で天体観測を行い、フォトミクサが十分に天体観測に使用可能である事を示した。 (5)NRAOのフォトニック開発グループとファイバーでレーザーを安定に長距離伝送するための、ファイバー長制御実験を、絶対周波数安定化レーザーを用いて行った。 (6)350GHzフォトニックローカルを試作し、発生信号を確認した。 (7)100GHzフォトミクサ出力を増幅し逓倍器へ入力し、500GHz受信機を駆動した。100GHzのGunn出力を逓倍した場合と同じレベルで受信機を駆動可能である感触を得た。
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