研究課題/領域番号 |
12354002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
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研究分担者 |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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キーワード | 核ガンマ線 / γ線イナージング / コンプトン散乱 / MSGC / ガス検出器 / アンガーカメラ / TPC |
研究概要 |
この研究では計測手段がほとんどない核ガンマ線(100keV〜数MeV)のイメージング装置の原理、および実際の装置を開発する。具体的には新しくMicro Pixel Gas Chamber(MPGC)を用いた荷電粒子の3次元軌跡を数百μm間隔で捕え、コンプトン反跳電子の方向を測定する。この申請では、有効面積10cmx10cmx10cmガス層を持つMSGCとシンチレータ検出器によるガンマ線画像装置を制作し、ガンマ線画像装置としての評価を行う。 ●反跳電子測定用MPGCの開発 反跳電子測定の鍵となる3cm角MPGCの試験器を製作、利得、安定性、放電に対する強度、高計数率など試験し、予想以上に高い利得と安定性が得られ、十分この目的にあった検出器であることがわかった。実際に試験をするための11cmMPGCの性能評価タイプを製作、来年度にその性能評価を行なう。また、TPCのためのドリフト層の設計も終えた。 また、高密度・低電力のアンプボードを製作、さらに、エンコーダー部、メモリーインターフェイス部の設計を開始し、設計をほぼ終了した。既存の装置より小型で、5倍程度高速(50MHz)の読みだし回路が可能である。 ●シンチレータ反跳ガンマ線検出器の開発 10cm角NaIを用いたアンガカメラを製作中。PMT、アンプ、ADCなどの電子回路を製作した。またエネルギー分解能をサンプルを用いて測定し、1MeVで5%(半値)と問題無い分解能を得た。 ●ガンマ線検出器開発のためのシミュレーションこのような複雑なシステムを新しい検出器で実現するには、シミュレーションが不可欠である。X線、ガンマ線で汎用的なEGS4をベースにシミュレーションを製作した。その結果から、1MeV程度で角ガンマ線に対し半値で1度で、方向を決定でき、その立体角も3str程度であることがわかった。さらにこのシミュレーションに具体的な検出器の性能をフィードバックさせ、開発の方向性をチェックして行く。
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